酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「智弁vs智弁の決勝」は和歌山が勝ったけど… 両校の対戦成績、岡本和真に西川遥輝らプロが多いのは?〈高嶋仁名誉監督の偉大さ〉
posted2021/08/30 17:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
夏の甲子園、智弁学園と智弁和歌山の兄弟校の決勝戦は、智弁和歌山の勝利で幕を閉じた。筆者は大げさに言えば「ついに来るべき時が来た」と感じた。
筆者は大阪生まれ、奈良育ちだ。奈良県の野球強豪校といえば、昔は天理高校と郡山高校だった。そこに智弁学園が割って入ったのだ。
ただ1977年まで夏の甲子園予選では、奈良県大会の優勝校と、和歌山県大会の優勝校が「紀和大会」で決勝を戦って、勝ったほうが夏の甲子園に出ていたのだ。
この「紀和大会」の最後の優勝校が智弁学園、そして智弁和歌山は翌1978年に創立されている。もし「紀和大会」があと数年続いていたら、智弁学園と智弁和歌山が甲子園出場をかけて、毎年のように戦っていた可能性があるのだ。隣県同士であり、両校の距離感は非常に近い。
両校の甲子園での通算成績は……
第103回決勝戦を終えた段階での両校の甲子園での戦績。出場は中止になった昨年の春(92回大会)を含む。智弁和歌山の夏の勝利数には、今年の宮崎商戦の不戦勝を含む。
<智弁学園>
春:出場14回16勝12敗 優勝1回 ベスト4・1回 ベスト8・2回
夏:出場20回26勝20敗 準優勝1回 ベスト4・1回 ベスト8・1回
<智弁和歌山>
春:出場14回27勝12敗 優勝1回 準優勝3回 ベスト8・4回
夏:出場25回43勝22敗 優勝3回 準優勝1回 ベスト4・2回 ベスト8・1回
智弁学園は1965年の創立、1968年には夏の甲子園に初出場している。智弁和歌山は前述のとおり1978年の創立、甲子園初出場は1985年春だったが、戦績では「弟分」の智弁和歌山のほうが上だった。そして今夏の決勝でも「弟分」が勝った。
智弁学園は夏の甲子園で決勝まで進んだのも今回が初めてだった。
両校は過去に甲子園で1回だけ対戦がある。