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「9秒58」だけじゃないボルトの破天荒伝説「100mはショーでありドル。200mの方が好き」と語ったワケ〈35歳に…特製カタカナシューズも〉
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byJMPA
posted2021/08/21 11:00
お馴染みの「ボルトポーズ」を取るウサイン・ボルト(リオ五輪時)。その走りに誰もが驚愕した
「子供の頃の僕は、平均的な選手だった。でも成長するにつれ、タイムも伸びて結果も出せるようになったころから、自分は特別なのかなと思うようになった。20年に1人とか、50年に1人とか、あるいは1世紀に1人とか、すべてのスポーツに、マイケル・ジョンソンのような特別な選手がいて、多分、自分もその中の1人なんだと思う」
10代のジュニア時代は100mで図抜けた成績を残していたわけではなかった。また持病である脊椎側彎症による独特なフォームだったが、肉体にかかる負担を軽減するために筋力アップに努めた結果、驚くべきタイムをたたき出していくことになった。まさに「いつでもベストを尽くした」からこそ、超人ボルトが誕生したのだった。
200mはアートでありテクニック
<名言3>
100mはショーでありドルだ。200mはアートでありテクニックであって、僕はこっちの方が好きだね。
(ウサイン・ボルト/Number884号 2015年8月20日発売)
◇解説◇
「とりわけ200mのコーナーワークに関しては、何年間ものトレーニングの集積だ。コーナーは僕の弱点で、克服のためもの凄く努力した」と、ボルトは200mの「複雑」さを強調する。そして100mを「ショーでありドル」と表現した辺りにも、彼自身のプロフェッショナル性とプライドを感じさせる。
2011年大邱世界陸上の100mでは、フライングで失格となり「ショー」の幕は開かなかったが、2015年の北京世界陸上では100mと200mを制し、ボルト健在をアピールしたのだからさすがだ。
<名言4>
オリンピックが終わったら引退する、なんて一度も言ったことはないんだよ。
(ウサイン・ボルト/Number908・909・910号 2016年8月10日発売)
◇解説◇
リオ五輪前は引退時期に関して明言することを避けていたボルトだったが、噂通り2017年の世界陸上がラストランに。「俺は本物のレジェンドになりたい」と事あるごとに語っていたが、100mはライバルであるジャスティン・ガトリンに敗れ、まさかの3位に終わった。