プロ野球亭日乗BACK NUMBER
“女子ボクシング蔑視”張本勲氏の発言はもちろん大問題だが…一番悪いのは“炎上商法”を続けてきたTBSでは?
posted2021/08/20 11:04
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Getty Images(L),Tadashi Shirasawa(R)
「シェンロンが一つ願いこと叶えてあげるって言ってきたら迷いなくこのコーナーを消してくださいと言う。」――2019年7月28日にこう呟いたのは当時、シカゴ・カブスに所属していた現サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手だった。
これは毎週日曜日の朝にTBS系列で放送されている「サンデーモーニング」のスポーツコーナーでの野球評論家・張本勲さんの発言への批判投稿だったが、ダルビッシュはついにドラゴンボールを7つ集めて、神龍に願いを告げたのかもしれない。
東京五輪ボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈選手に対する8日の同番組での張本さんの発言と、その後の謝罪が大炎上、番組と同コーナーの存続を問う声が広がっている。
張本氏「見ててどうするのかな」
張本さんは8日の放送で入江選手の金メダル獲得について「女性でも殴り合い、好きな人いるんだね。見ててどうするのかな。嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って……こんな競技を好きな人、いるんだ」などと発言。これに対して日本ボクシング連盟の内田貞信会長が「ボクシングを愛している方々のために、女性ボクサーのためにも誤解されたくない」と抗議し、TBSが同連盟宛に謝罪文を送付した。
翌週15日の放送ではスポーツコーナーで司会の関口宏さんが冒頭で「お詫びをしなければなりません」と語り、フリーアナウンサーの唐橋ユミさんが「先週のスポーツコーナーで張本勲さんのコメントの中に女性及びボクシング競技を蔑視したと受け取られかねない部分があり、日本ボクシング連盟より抗議文が寄せられました。不快に思われた関係者の皆さま、そして視聴者の皆さま、大変申し訳ありませんでした」と頭を下げた。
それを受けて関口さんが「私も会話の途中でも間違いを正せば良かったかと反省させられました」とコメント。そしてリモート出演の張本さんに「ハリさん、どう受け取っていらっしゃいますか?」と振った謝罪コメントがこうだったのだ。