濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「もっともっと“黒い虎”に」…“闇堕ち”で大変身、スターライト・キッドが狙う“因縁のベルト”と“岩谷麻優超え”の意味とは?
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byEssei Hara
posted2021/08/12 11:00
“闇堕ち”したスターライト・キッド。5★STAR GP最終戦では、岩谷との因縁の対決が待っている。
「生え抜きの意地ってものがありますから」
団体の現状についても、思うところがある。このところ、スターダムには他団体から移ってきた選手が増えている。その筆頭がジュリアで、昨年は東京スポーツ認定プロレス大賞の「女子プロレス大賞」を受賞した。
今年3月の日本武道館大会ではメインイベントを張っている。そこでジュリアに勝利したたむも、もともとはアクトレスガールズの出身だ。ハイスピード王者のなつぽいも元アクトレスガールズ。今、生え抜きでベルトを巻いているのはワールド王者の林下詩美だけだ。
「選手が増えるのはいいことだと思います。刺激にもなりますから。でも入って1年でジュリアが全部持っていっちゃったのは正直気に食わないですよ、生え抜きからしたら。ジュリア本人も“生え抜きが噛み付いてこない”と言っていた。そこで私が噛み付いて(当時ジュリアが持っていた)ワンダーのベルトに挑戦したんです。みんなもっと意欲的になったほうがいいと思う。“生え抜きが負けてていいの?”って。だから私は何回負けてもベルトに挑戦するんです。生え抜きの意地ってものがありますから」
大江戸隊も大半が生え抜き選手。「負けてられない」という意識を持ちやすいのかもしれないとキッドは言う。
「もっともっともっともっと変わりたい」
自分が変わるのは、スターダムの序列を変えたいからでもある。変わらないのは団体への愛着。闇に堕ちてなお、スターライト・キッドはスターダムの申し子なのだ。
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