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《セ・リーグ前半戦おさらい》首位阪神、巨人とヤクルトの追撃で気になる「引き分け数」…3強3弱の中で注目したい個人成績は?
posted2021/08/12 17:04
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kiichi Matsumoto
東京オリンピックによる前代未聞の約1カ月のブレークを経て、8月13日からNPBのペナントレースが再開する。後半戦開始前に、セ・リーグの前半戦を振り返ろう。
<ペナントレースの順位>
1 阪神 84試48勝33敗3分 率.593差--
2 巨人 85試43勝32敗10分 率.573差2.0
3 ヤクルト 83試42勝32敗9分 率.568差2.5
4 中日 86試32勝42敗12分 率.432差12.5
5 広島 82試30勝42敗10分 率.417差13.5
6 DeNA 86試31勝44敗11分 率.413差14.0
阪神は3、4月に20勝9敗、勝率.690とスタートダッシュに成功。前年優勝の巨人も16勝10敗4分と好調だったが、2.5差をつけた。阪神は以後も好調を維持したが、7月に5勝8敗とブレーキがかかり、巨人に2差まで迫られている。
ヤクルトも含め上位3チームが2.5差となっているが、今後阪神は「引き分けの少なさ」が問題になってくる。引き分けが少ないことで1勝当たりの「勝率の上げ幅」が、巨人、ヤクルトよりも小さくなる。ペナントレースは「勝率」で順位を決める。このまま引き分けが少ないと、ペナントレース終盤には勝敗差で勝っていて勝率で負ける事態が起こる可能性もある。
「ピタゴラス勝率」では3強3弱がはっきり
得失点差に基づいて計算した「ピタゴラス勝率」ではどうなるか?
1 巨人 85試43勝32敗10分 率.578(357得305失)
2 阪神 84試45勝36敗3分 率.560(343得304失)
3 ヤクルト 83試40勝34敗9分 率.544(366得335失)
4 広島 82試30勝42敗10分 率.422(298得349失)
5 DeNA 86試32勝43敗11分 率.422(344得403失)
6 中日 86試31勝43敗12分 率.419(249得293失)
得失点差ではすでに巨人が阪神を抜いている。ヤクルトは得点ではリーグ1位、この3チームは戦力的にはほぼ互角だと言えよう。3強3弱がはっきりしている印象だ。
前半戦活躍した打者について見ていこう。RCは安打・長打から盗塁、盗塁死、犠打、犠飛、三振、四死球まで加味した打撃の総合指標。その10傑。