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“快挙の卓球”と“苦しかったバドミントン” ロンドンの初メダルから9年、何が2競技に「差」を生んだのか
posted2021/08/08 17:03
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
L:Takuya Matsunaga/JMPA R:Getty Images
初めてオリンピックでメダルを獲得したのは2012年のロンドン五輪。あれから9年、その間に、2016年リオデジャネイロ五輪をはじめ、国際大会で数々の好成績を上り調子で残してきたのが卓球とバドミントンだ。
ともに大きな期待を寄せられた東京五輪で、しかし残した成績は、対照的なものになった。
何がその違いを生んだのだろうか。
それぞれの、ロンドンから今大会までをまずは振り返りたい。
卓球とバドミントンの重なる歴史
ロンドンで、日本卓球として初めてのメダルとなったのは女子団体の銀メダル。続くリオでも女子団体が銅メダルを獲得し、さらに男子では水谷隼が銅メダル、男子団体も銀メダルを獲得した。
世界選手権をはじめとする国際大会でも成績を残し、伊藤美誠が世界ランキング2位に上がるなどした。
日本バドミントン初のメダルはロンドンの女子ダブルスにおける藤井瑞希、垣岩令佳の銀メダル。リオでは同じく女子ダブルスで高橋礼華、松友美佐紀が金メダル、女子シングルスで奥原希望が銅メダルを獲得している。その後桃田賢斗が世界ランキング1位になるなど世界のトップ選手となり、世界選手権女子ダブルスでは2018、2019年に日本ペア対決の決勝戦となり1、2位を独占、混合ダブルスや男子ダブルスでもメダルを獲得するようになっていった。
これら積み重ねた実績があって、注目と期待を寄せられ、東京五輪を迎えることになった。