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選手村のある埋立地「晴海」、(タワマン以外に)何がある? 鉄道駅がないのにナゾの“廃線”を見つけた話《東京五輪》
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph byMasashi Soiri
posted2021/07/22 17:02
東京・晴海の選手村。晴海には選手村・タワマン以外に何があるのか?
もちろん、選手村には近づくことはできない。コロナであろうとなかろうとオリンピックに出場するトップアスリートたちが暮らす選手村におじさんがフラフラと近づいていったら、それだけで事件になりかねない。
ということで、選手村以外には何があるのかを見てみる。バリケードの中なので近づくことはできないが、選手村のちょうど真向かいあたりには高いエントツがそびえる中央清掃工場。東京のあちらこちらからゴミがやってきて燃やされる、都民にとってなくてはならない大事な施設だ。
選手村から背を向けて北東に向かって大通りを歩いていくと、巨大なマンションがいくつも見える。晴海トリトンスクエアは晴海のいわばシンボルのような存在だ。パークタワー晴海というタワーマンションも圧倒的な存在感。晴海大橋を渡るとその先は豊洲なのだが(もうひとつ豊洲大橋というのもあるが、こちらは通行止めである)、酷暑のなかジョギングをしている猛者もいる。日差しを遮るものがないからキツい、と思いきや、海の近くなので汐風が意外と心地よい。そうそう、豊洲に行けば、豊洲市場もある。
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晴海大橋のたもとから、運河沿いの公園を歩く。遠くには豊洲のららぽーと。ゆりかもめがゆっくりと走っているところも遠くに見える。上半身裸で日光浴を楽しんでいるおじさんの姿もあった。
そんなこんなでだいたい20分は歩いただろうか。晴海散策はあっという間に終わってしまった。晴海通りから運河を渡って日本ユニシスの本社ビルがそびえる先に行けば、もう中央区ではなく江東区だ(こちらも豊洲。晴海と豊洲は3本の橋で結ばれている)。
なぜこんなところに「廃線」がある?
その立派な橋を渡ろうとして目に留まったものがある。いかにも真新しいピカピカのタワーマンションに挟まれた運河に、古びた鉄橋が架かっているのだ。その鉄橋には何やらレールが敷かれている。レールは豊洲側でも晴海側でも陸地に出たら途切れているのでその先を追うことはできないが、とにかく豊洲と晴海の間にかつて鉄道が通じていたことは間違いないようだ。