ホンダ勢は今年も全体的に苦戦しているが、中上は随所でいい走りをしている。これだけいい走りをしているのだから、ホンダのワークスサポートで走らせてあげたらどんな走りをするのだろうか。そうすれば、中上も日本のレースファンも納得がいくのではないだろうかと思ったりする。

後半戦最初のレースに期待

　オランダGPを終えて、MotoGPは1カ月の夏休みに入った。後半戦は去年中上が表彰台を確実にしながら赤旗中断で表彰台を逃したレッドブルリンクから始まる。去年は予選2番手から2位を走行中に赤旗中断になった。再開したレースではバックアップのタイヤがなく、新品を履いたライバル勢に遅れをとり、7位に終わった。

　昨シーズンはコロナ禍の影響で2連戦、3連戦が多く、同一サーキットでの連戦の2週目で中上は大きな進化を見せた。後半戦のスタートとなるレッドブルリンクは、今年も第10戦スティリアGP、第11戦オーストリアGPが2週連続で開催される。

「去年は本当に悔しいレースだった。赤旗中断がなくてあのまま走っていれば表彰台に立てたし、優勝もできたと思う」

　もうすぐ、あの悔しいレースから1年が経とうとしている。「今度こそ表彰台」「今度こそ初優勝」という中上のコメントを、これまで何度聞いたことだろう。後半戦のスタートとなるレッドブルリンクでは、今度こそ「今度はやりました」というコメントが聞きたいと思っている。