「今度こそ表彰台」「今度こそ初優勝」MotoGP4年目の中上貴晶が、奮闘およばず表彰台に届かない理由とは

　シーズン前半戦をしめくくる第9戦オランダGPで、MotoGPクラスに参戦する中上貴晶が、今季1番のレースをした。今季ベストの4番手グリッドから好スタートを切って、中盤まで2位争いのグループに加わった。トップを走るのはヤマハで総合首位につけるファビオ・クアルタラロで、フリー走行、予選でも快調にラップを刻み今大会も優勝候補の筆頭だった。

　序盤はストレートにアドバンテージのあるドゥカティのフランチェスコ・バニャイアがそのスピードを生かしクアルタラロを抑えたが、地力にまさるクアルタラロが首位に立つと2位以下をぐいぐいと引き離す。2番手に落ちたバニャイアが今度は後続を抑える形となり、中上はコース後半の高速コーナーが連続するセクションで何度もバニャイアを抜くがストレートですぐに抜き返されるという展開だった。

　そのうち、中上の後ろにいたマーベリック・ビニャーレス、ヨハン・ザルコ、ジョアン・ミル、ミゲール・オリベイラに抜かれ、その後、オリベイラとのバトルで接触を避けるためにオーバーラン。そのミスでマルク・マルケスなど3台に抜かれ、最終的に9位でフィニッシュした。

序盤は3番手と好位置で戦っていた中上。もちろんホンダ勢で最上位だった

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　ここまで書いてきて気がつくと思うが、ザルコをのぞき、戦っているライダーはすべてワークスチームのライダーである。現行のレギュレーションでは、ワークスチームとサテライトチームのハード面の差はほとんどないが、総合力では歴然とした差が生まれる。実際にクアルタラロは、今年からワークスチーム入りしてチャンピオンロードをひた走っている。

　シーズン中のエンジン開発禁止ルールや共通ECU、厳しい燃費などといったハード面では差はつかなくとも、ニューパーツの投入など、ワークスチームの持ち駒の多さは圧倒的で、車体のセットアップをベストの状態に持って行く総合力では、サテライトチームとは戦力が違うといってもいい。

苦戦続きのホンダで奮闘する中上

　そういう状況の中で中上は、去年、今年とサテライトチームのLCRホンダで相当頑張っている。マルケスが怪我のためにシーズンのほとんどを欠場した昨年は、ホンダのエース的存在として活躍。PPを獲得し、フロントローにも何度も並んだ。

　表彰台圏内の戦いを何度もしたが、なぜか表彰台には立てていない。あのままレースが進んでチェッカーを受ければ表彰台というレースもあったが、先日のオランダGPのようにじりじりと後退する。赤旗中断でそのチャンスをふいにしたレースもある。とにかく、何度も何度も表彰台獲得を期待させてくれたが、それを結果につなげることはできなかった。

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