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大谷翔平が挑むオールスター日本人伝説… イチロー「足痛いのに回すのかよ~」でランニング本塁打、野茂英雄のトルネード旋風
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byGetty Images
posted2021/07/13 18:30
MLBオールスターに選出された大谷翔平、イチロー、野茂英雄
野茂もメジャーが「楽しくてしかたがなかった」
<名言2>
野球の世界で最高と思える打者と勝負できる。これが楽しくてしかたがなかった。
(野茂英雄/Number714号 2008年10月16日発売)
◇解説◇
メジャーに挑戦する日本人選手のパイオニアとなった野茂はアメリカに渡った当時、「プレーするのが楽しい」とよく口にしていた。世界最高の打者と対決する喜び、これこそがアメリカでプレーする意義なのだと野茂は語っていた。
時は1995年、ストライキで大きく人気が低下した大リーグにあって救世主となったのはドジャースに現れたヒデオ・ノモだった。代名詞のトルネード投法とストレート、鋭く落ちるフォークで奪三振の山を築くと、全米が熱狂。日米でのムーブメントは、それこそ大谷翔平が現在もたらしているものとそっくりな状況だ。
前半戦を6勝1敗、防御率1.99の好成績を残した野茂はオールスターゲームにも初選出されると、日本人で初となる先発投手の大役にあずかり、2回無失点の好投を見せた。その後も2度のノーヒットノーランを含むMLB通算123勝を挙げた「ドクターK」は、日本人メジャーリーガーのパイオニアとなったのだ。
ダルビッシュは日本人投手最多5回選出
<名言3>
日本人選手の評価がアメリカで低くなっている。下に見られているようでいやだ。
(ダルビッシュ有/Number818号 2012年12月6日発売)
◇解説◇
メジャー行きを表明した会見で、ダルビッシュはこんな言葉を口にした。
日本人選手への評価を変える──そんな使命感を背負って海を渡ったダルビッシュは、2012年にいきなり16勝を挙げ、2013年シーズンの初マウンドであと1アウトで完全試合という好投を見せるなど、特大のインパクトを放った。
もちろんその力はトップクラスとして認められており、12~14年と3年連続、そして17年と“オールスター常連”となっていた。
2021シーズンもオールスターに選出されたものの、ダルビッシュはコンディション不良で出場を辞退した。それでも日本人投手最多5度目の選出は、彼がメジャー屈指の投手として認められている証だろう。