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大谷翔平が挑むオールスター日本人伝説… イチロー「足痛いのに回すのかよ~」でランニング本塁打、野茂英雄のトルネード旋風
posted2021/07/13 18:30
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Getty Images
<名言1>
おいおい、足痛いのに、回すのかよ~。
(イチロー/Number683号 2007年7月20日発売)
◇解説◇
大谷翔平の史上初となる“リアル二刀流”で盛り上がる2021年のオールスターゲーム。遡ること14年前、同じく“史上唯一の快挙”を成し遂げたのがイチローだった。
ア・リーグが1点を追う5回ワンアウト一塁、この日3度目の打席に入ったイチローは、当時パドレスのクリス・ヤングが投じた内角低めのストレートを、イチローらしい鮮やかなスイングでライトへと運んだ。
するとジャイアンツの本拠地AT&Tパークのライトフェンスに直撃したボールは、野手の思わぬ方向へと跳ね返る。イチローは持ち味の俊足を飛ばして、オールスター史上初となるランニングホームランを放ったのだ。
このランニングホームランを含めて、イチローは3安打2打点の活躍でア・リーグを勝利に導き、こちらも日本人でMLB球宴史上初となるMVPを獲得した。
「二塁の手前まで来ると、体に任せちゃえば」
ただ冒頭の言葉にあるように、イチローにはオールスターを迎えるにあたってちょっとしたアクシデントがあった。球宴前の最終戦のアスレチックス戦の最終打席、イチローは変化球を打ちに行ったところ、右足親指に自打球を当ててしまったのだという。
それでも走塁に全く手を抜くどころか、ホームベースまで駆け抜けるイチローに野球選手としてのプライドを感じるし、こともなげにこう話していた。
「二塁の手前まで来ると、体に任せちゃえばそのまま行ってくれるんですよ。だから力を入れて走るというより、力を抜いているという感じかな。流れに任せて体がスーッと乗っていっちゃうから、痛みも感じないしね」