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鷹木信悟「飯伏、オマエを指名しない理由があるか」 IWGP世界ヘビー級王座に「異常事態」が起きている
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2021/06/27 11:02
IWGP世界ヘビー級王座に就いた鷹木信悟は、その“防衛できないベルト”を守り切ることができるのか
鷹木は本当に時代に呼ばれた男なのか
鷹木はまさに「敗者復活戦」から復活した。鷹木は本当に時代に呼ばれた男なのかどうか証明する必要がある。
鷹木が新日本プロレスのリングに上がったのは2018年10月、両国国技館、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの新メンバーとしてだった。アニマル浜口のトレーニング・ジムで内藤哲也といっしょだったことも抜擢された理由の一つだ。
昨年はG1クライマックスにも参戦した鷹木はシングルマッチでの連戦の厳しさを体感した。それでも鷹木は全力で試合に向かい「鷹木の試合にはハズレはない」と評価された。
「アイツらがいるからな。トップのトップに、永遠に昇ることができないと思ったんだ。首の皮1枚つながったんじゃねえか。これ取ったからって、別にアイツらと対等だとは思っていねえよ。だが、謙遜するわけじゃねえが、片足くらいは突っ込んだと思っているぜ。全身そこに入り込むか、また追い出されるかは、オレ次第だ」
「オイ、オマエを指名しない理由があるか」
IWGP世界のベルトを手にした鷹木は、オカダ、棚橋弘至、内藤、飯伏の名前を挙げて語った。
「オスプレイに負けて奈落の底に落ちたが、オレは運がよかったよ。だが、運も実力の内だ。オレの中じゃ、オカダに勝った暁には飯伏しかいないと思っていた。なあ、飯伏、オレは新日本に来たとき、言ったよ。だれが興味あるかって。オカダでもない。内藤でもない。棚橋でもない。オレは飯伏と言った。同世代の人間として、アイツは常にトップを走っていると思っていた。やっと対等に渡り合える時が来たな」
38歳の鷹木と39歳の飯伏はともに1982年生まれだ。鷹木は飯伏を指名した理由に触れた。
「G1二連覇。今年の東京ドーム、1.4、1.5もメインを勝利して、初代IWGP世界ヘビー級王者。オイ、オマエを指名しない理由があるか。これ以上、オマエに何か理由が必要か」
鷹木は飯伏との初防衛戦の先にはオスプレイを見据えている。それはプロレスラーとしての意地だ。