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鷹木信悟「飯伏、オマエを指名しない理由があるか」 IWGP世界ヘビー級王座に「異常事態」が起きている
posted2021/06/27 11:02
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
IWGP世界ヘビー級王座がある意味異常事態に直面している。新日本プロレスは7月25日に延期されていた東京ドーム大会を開催するが、そのメインイベントは鷹木信悟vs飯伏幸太のIWGP世界戦だ。
当初、5月29日にスケジュールされていたのはウィル・オスプレイvsオカダ・カズチカだったから、王者も挑戦者も入れ替わった形で行われる。
現王者の鷹木は、「世界」がベルトに刻まれてからは3代目だ。
初代王者に認定されたのはIWGPヘビーの73代目王者飯伏幸太で、3月4日、日本武道館でのIWGPヘビー級王座とインターコンチネンタル王座のダブルタイトル戦でエル・デスペラードの挑戦を退けた後だった。
オスプレイの強い願いが叶おうとしていたが
飯伏の「世界」初防衛戦は4月4日、両国国技館。英国のウィル・オスプレイが相手だったが、飯伏が負けて、オスプレイが2代目王者となった。そのオスプレイには二人の挑戦者が現れた。鷹木とオカダ。オスプレイは初防衛戦の相手に鷹木を指名し、2番目の相手としてオカダを指名した。
オスプレイは5月4日、福岡国際センターで鷹木と戦い初防衛に成功した。オスプレイには勢いがあった。鷹木はオスプレイを苦しめたが、ユナイテッド・エンパイア(連合帝国)のキング・ピンと呼ばれた男は44分53秒戦い王座を守り切って、オカダとのドーム決戦をアピールした。
オスプレイはジュニア・ヘビー級の時代から、東京ドームでのメインイベントに強い執着を持っていた。ドームで2日間開催するのだったら、「そのうち一つをジュニア・ヘビーにほしい」とまで長々と話してアピールしたことがあった。
その願いが叶うときが、しかも頂点のIWGP世界ヘビー級王者としてついに訪れようとしていた。
だが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の延長により5月29日の東京ドーム大会は延期された。新日本の選手に9人の感染者が出たことも延期の理由の一つだった。