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笹生優花と畑岡奈紗の勝敗を分けたものは? 現地レポーターが見た直接対決「2人だけはラフからバーディを狙っていた」【全米女子オープン】 

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南しずか

南しずかShizuka Minami

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photograph byShizuka Minami

posted2021/06/08 11:03

笹生優花と畑岡奈紗の勝敗を分けたものは? 現地レポーターが見た直接対決「2人だけはラフからバーディを狙っていた」【全米女子オープン】<Number Web> photograph by Shizuka Minami

大会史上最年少で全米女子オープンを制した笹生優花。世界ランキングも40位から一気に上昇して9位となった

「ボールの落下地点の弾み方だったり、本当に小さな差、もはや運だと思います。(畑岡も)フェースのコントロールやドローとフェードなど打ち分けもしっかり出来ています。(敗れたからといって)今の畑岡選手に技術的な面で足りないところは感じません」(片平)

 実際に畑岡は試合前に「(ゴルフの)調子がいい」と笑顔を見せていた。前週のマッチプレーをきっかけにグリップを変えたことで、スイングの感覚が戻ってきたという。昨年から悩んでいたテークバックがしっくりくるようになった。

 正直でストイックな性格な畑岡が「良い」と言い切るのはすごく珍しい。畑岡が17歳でプロに転向したルーキー時代からずっと見てきた片平は「(本人から)『手応えを掴んでいる』と聞いたのはプロ5年目して、初めてだったかもしれないです」と思い返す。

 19歳で米ツアー初優勝を挙げて以降、メジャー制覇を目標にアメリカを拠点に活動してきたが、あと一歩、ビックタイトルに届かなった。その悔しさは容易に想像できるが、勝敗が決まった瞬間、ともに激戦を演じた笹生をハグで祝福した。最後までスポーツマンシップを見せたところに精神的な成長も感じる。この悔しさをバネにさらなる飛躍を期待したい。

安定していた笹生のゴルフ

 一方、笹生は4日間を通して69/67/71/73と1日たりとも大幅にスコアを崩すことはなかった。勝ち切った要因を片平はこう語る。

「ラフからのコントロールが上手くて、グリーン周りの技をいっぱいもっています。ラフのライ(地面の状態)であまり悩む素振りがなく、笹生選手自身のイマジネーションで打ってるような印象を受けました。ジュニアの頃から海外の試合に出場し、様々なコースや芝に対応していたことがメジャーを制した勝因の1つだと思います」

【次ページ】 「プロになりたい」と父に懇願

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