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「私けっこう性格悪いんで(笑)」K-1で菅原美優に勝利したMIOが“RENAの妹分”からの独り立ち 「本当に楽しいです、今」 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byNorihiro Hashimoto

posted2021/06/05 11:01

「私けっこう性格悪いんで(笑)」K-1で菅原美優に勝利したMIOが“RENAの妹分”からの独り立ち 「本当に楽しいです、今」<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

試合前日の会見でのMIO(左)と菅原美優

シュートボクシングとK-1で違うのは「距離感」

 それまでMIOが出場していたシュートボクシングは、別名“立ち技総合格闘技”。組んでからのヒザ蹴りだけでなく投げ技、スタンディングでの絞め・関節技も認められる。一方、K-1では相手を掴んでの攻撃が一切禁止。純粋に“殴る蹴る”のみの勝負となる。同じ立ち技格闘技だがまったくの別競技なのだ。

「一番違うのは距離感ですね。基本的な間合いが近いというのもありますし、接近戦でやることが違ってくる。前なら組んでヒザとか投げを狙っていた場面でも、K-1では打撃で打ち合うんです。このルールだと様子を見ていたら試合が終わっちゃうなとも思いました。それくらい試合のテンポが早いんです。序盤からガツガツいかないと勝てない。ようやくその感覚が掴めてきました」

 3月にK-1初勝利、今回の菅原戦は自らやりたいとアピールした。減量もまったく問題なかったそうだ。というより、これまでの48kgは節制に無頓着でも自然に落ちるレベルだった。45kgに階級を下げて、ようやく自分の体重に意識的になった。以前は階級を増やしすぎると選手層が薄くなるというイメージが業界内にあったのだが、実際は階級ができることで選手も出てくるのだった。MIOのように、そこで適正階級に気づく選手もいる。

菅原は「正直、私が一番苦手なタイプ」

 むしろMIOは、45kgでもまだ小さい部類だろう。身長153cmに対して菅原は162cm。得意技は顔面への前蹴りだ。MIOは懐に入り込みたいのだが菅原は“突き放す”技が持ち味。「正直、私が一番苦手なタイプ」だとMIOは言う。

「それでも、先手を取りながらどんどん距離を潰していくっていう闘い方はうまくいったと思います」

 顔面を狙う菅原の蹴りが空振りになる場面も目立った。離れる時は足でも届かないところまで離れるのもMIOの作戦だった。

「菅原選手の得意な距離は、私にとって一番危ない距離。そこには絶対にいないようにしました」

 最大距離と最小距離を使い分けるのは簡単ではなかった。被弾は多くなかったが、菅原の前蹴りは予想以上のパワーがあったとも言う。ただそのやりにくさの中で、MIOはしっかりポイントを奪うことができた。逆に菅原はやりにくさで自分を見失った感がある。このあたりはルールに関係なく、ファイターとしての経験値の差と言うしかない。

【次ページ】 「最初から3ラウンドみたいな闘いをしていれば…」

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