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「私けっこう性格悪いんで(笑)」K-1で菅原美優に勝利したMIOが“RENAの妹分”からの独り立ち 「本当に楽しいです、今」
posted2021/06/05 11:01
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
5月30日、K-1ジャパングループは2つの大会を連続で開催した。
K-1横浜武道館大会は10時20分からプレリミナリーファイト開始、18時からは後楽園ホールでKrushがスタート。K-1の中心はバンタム級日本トーナメントで、Krushのメインイベントでは佐々木大蔵vs.平山迅のスーパー・ライト級タイトルマッチが行なわれた。もともとK-1は5月23日に大田区総合体育館で開催されるはずだったが、緊急事態宣言により急きょ1週間後に会場を変えてのスライドとなった。
K-1は計18試合、Krushは10試合。トータルで50名の選手がリングに上がっている。つまり50通りのドラマが展開されたわけだ。Krush王座を防衛した佐々木大蔵は抜群の安定感を見せたが「安定から脱却して、もっと上に」と課題を語った。
K-1のトーナメントを制覇したのは20歳の黒田斗真。格闘技から離れていた時期もあったが、兄からもらった手紙がきっかけで二人三脚の格闘人生を再開させた経緯がある。その兄、勇斗はKrushのセミファイナルで敗れたが、期待以上の激闘で株を上げた。
K-1で2つ目の勝ち星を挙げたMIO
新たなキャリアを切り拓いた選手もいる。K-1のリングで2つ目の勝ち星を挙げたMIOだ。階級を下げ、Krush女子アトム級チャンピオンの菅原美優に判定勝利。プロ戦績全体で見ると45戦目、40勝目だった。
MIOはもともとシュートボクシング女子戦線で活躍。48kg級のベルトを巻き、トップに君臨していた。“RENAの妹分”として彼女を知った格闘技ファンも多いだろう。MIOもRENAと同じく、地元である大阪の及川道場から東京のシーザージムに移籍している。
ベルトを巻き、トーナメントで優勝し、やれるだけのことをやってABEMAの選手発掘リアリティ番組『格闘代理戦争』でMMA(総合格闘技)に挑戦。ここではトーナメント準決勝で敗れ、昨年からはK-1に。所属は武尊を筆頭にトップファイターが揃うKRESTだ。
K-1初戦は昨年9月、高梨knuckle美穂に判定負け。本人は「言い訳はしたくない」と言うが、久々の試合かつ初のK-1ルールで女子最高レベルのハードパンチャーと闘うのはあまりに厳しかった。