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初優勝・千葉ジェッツは“プロにあるまじき姿”と批判を浴びた4年前からどう変わったか 「あのときとの最大の違いは…」 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byB.LEAGUE

posted2021/06/04 11:00

初優勝・千葉ジェッツは“プロにあるまじき姿”と批判を浴びた4年前からどう変わったか 「あのときとの最大の違いは…」<Number Web> photograph by B.LEAGUE

千葉ジェッツはBリーグ悲願の初優勝を遂げた。その背景にあるチームの成長とは

ジェッツにとって最低ともいえる内容の試合

 1月23日。宇都宮とのアウェーゲーム。64-84というスコア以上の内容で完敗した。今シーズンのジェッツにとっては最低ともいえる内容で、大野HCはこう総括していた。

「宇都宮さんの方が闘う意識がありましたし、チームでプレーしようという意識もありました。本当に完敗だったなと思います」

 あの試合のあと、ブレックスアリーナのロッカールームで、ジェッツの選手だけで意見を寄せ合うためのミーティングが開かれた。

 大野は、こう振り返る。

「選手だけで自発的にミーティングを開いたのは、僕が来てから初めてだったんじゃないかな。『このままじゃいけない』という危機感があったからだと思うし。シゲ(田口成浩)が音頭をとってくれて」

 もちろん、それで状況が一気に好転するわけではない。それから1カ月半ほどたった時期、ジェッツのベストディフェンダーとして、耐え忍び続けている佐藤卓磨はこう話していた。

「成果は、すぐに出るものではないと思っています。ただ、みんながもがきながら、『どうしたら良くなるのかな?』と考えながらやっていますから。良い方向に行くと僕は思っているし、そのためには試合内容も大事ですけど、勝つこと。どれだけ、勝ちに執着できるか」

CSで勝ち抜きたいという想いが表れていない

 その後、3月後半にチームからコロナ陽性者が出たために隔離期間がでて、チームは活動をストップしなければならなくなった。4月14日の墨田区総合体育館でリスタートを切ったが、ほとんど練習をせずに迎えたこの試合でシュートは横方向にズレてしまっていたし、肩で息をする選手が多かった。

 結局あの試合から3連敗を喫し、そこから盛り返して3連勝したものの、その3連勝目にあたる横浜ビー・コルセアーズとの試合は70-63で勝利しながら試合内容はさっぱりだった。

 試合後のロッカールーム。大野が口を開いた。

「みんなは、CSに出たいだけなの? それとも、CSで勝ち抜きたいの? CSで勝ち抜きたいという想いが行動となって表れていないよ。『勝ちたいという欲求』があるんだったら、それを行動に移さないとダメだ」

「勝利への欲求」

 それが優勝に向かうチームのキーワードになった。

 CSを前に、セバスチャン・サイズはこう語った。

「僕は勝ちたいという気持ちを持って常に戦っています。この1年を通して頑張ってきた集大成がこれからやってくるんですよ? この時期を楽しめない選手なんて、本当にバスケットを好きな人間ではないと思いますね」

【次ページ】 厳しいことを言い合ってもリスペクトし合えるチーム

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