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「フィールドでは神のよう」大谷翔平はこんなに凄いのに、なぜエンゼルスは“最下位争い”をしているのか?
posted2021/05/31 17:01
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
『まるで漫画の世界』『フィールドでは神のよう』
5月23日。エンゼルスの地元紙ロサンゼルスタイムズが日曜版のスペシャル・エディションで大谷の特集記事を組んだ。上記はその際の見出しだ。
100マイル(約161キロ)の直球と切れ味鋭いスプリットで奪三振の山を築き、450フィート(約137メートル)の特大弾で本塁打王争いを繰り広げ、一塁まではリーグトップクラスの4秒で走り抜ける。神様ベーブ・ルースをも上回るスーパー・パフォーマンスに今や大谷翔平は『日本の宝』だけでなく『米国野球の至宝』となった。
そんな折り、日本から素朴な疑問が飛び込んできた。
「こんなにすごい大谷翔平がいるのになぜエンゼルスは弱いんですか?」
5月27日を終え、22勝28敗の成績は地区4位。首位のアスレチックスに離されること7ゲーム。レンジャーズとは最下位争いが続いている。
なぜ弱いのか。理由は単純明快だ。
防御率最下位で、失策数はメジャートップ
野球は投手を中心とした守備力とよくいわれるが、エンゼルスのその方面の成績は惨憺たるものだ。
チーム防御率がメジャー最下位の5.27(27日時点・現在はリーグワースト2位の5.07)ならば、失策数はメジャートップの43。最下位争いも致し方なしの数字が並ぶ中、こんなものもある。
勝率5割以上のチームとの対戦成績は14勝22敗。5割に満たないチームとは8勝6敗。エンゼルスファンには気の毒だが、弱いチームの典型。そんな材料が揃いすぎている。
弱いが故に、チームプランも変わってしまったと感じる。そのひとつの例が投手・大谷翔平の起用法だ。
キャンプイン直後。ジョー・マドン監督はこう言っていた。
「ショウヘイは投手優先。打者はその合間でと考えている」
キャンプでの調整スケジュールの意味合いもあったが、シーズンをも指していた。