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「オークスとダービー、どちらにしますか?」 桜花賞2着の牝馬ウオッカが“近代競馬史上初の偉業”を遂げるまで
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2021/05/30 06:02
桜花賞2着から挑んだウオッカのダービーは今なお名レースとして語り継がれる。サトノレイナスはこの名牝の再来となるだろうか
これは64年ぶりの偉業ではない
シーザリオのアメリカンオークス制覇やデルタブルースとポップロックでのメルボルンCワンツーフィニッシュなど、競馬ファンをアッと言わせてきた新進気鋭の調教師・角居勝彦師は、こうして牝馬ウオッカにより日本ダービーを制覇。またしても世間を驚かせてみせた。
ちなみに牝馬による日本ダービー制覇は実に64年ぶりの偉業。翌日の新聞には“64年ぶり”というワードが咲き乱れた。64年という時の流れは、競馬の世界では世間のそれ以上に大きな壁を作っている。システムも、血統も、馬の作りや調教も、全てが別次元のモノと考えて良いだろう。そういう意味で、これは64年ぶりの偉業ではないと、私は考えている。
“牝馬ウオッカによる日本ダービー制覇”
それは近代競馬史上初の偉業なのであると、私は思う。
さて、今年のダービーには牝馬サトノレイナスが果敢に挑戦をする。果たしてウオッカの偉業達成がなければ、この挑戦はあったのだろうか……。サトノレイナスの結果に注目したい。