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【オークス】ユーバーレーベンに込められた“亡き岡田総帥の思い”とは ソダシの走りには“望ましくない力み”が?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/05/24 11:45
オークスを制したミルコ・デムーロ騎乗のユーバーレーベン。圧倒的1番人気のソダシには初の勝利となった
ソダシと対照的だったユーバーレーベン
対照的に、ユーバーレーベンは、後方でリズムよく運ぶことができた。デムーロはこう振り返る。
「スタートは出たのですが、みんな出して行ったので、1コーナーでゴチャつかないよう後ろから行きました。ちょっと失敗したかな、後ろすぎるかな、とも思ったのですが、向正面ではスムーズになりました」
向正面に入っても先頭はクールキャット、2番手はステラリア、内の3番手はククナ。ソダシは相変わらず掛かったまま4番手につけている。
ユーバーレーベンは、ソダシから5、6馬身後ろの中団にいた。
1000m通過は59秒9。戦前はスローになるとの見方もあったが、同じく良馬場で行われた昨年の59秒8、一昨年の59秒1とそう変わらない、よどみない流れになった。
ソダシはじわじわと伸びたが
3コーナーを回りながら、ユーバーレーベンは馬4頭分ほど外を回って進出した。
そして最後の直線。ソダシは馬場の真ん中からじわじわと伸びたが、なかなか内の馬たちをかわせない。
ラスト400m付近で、外からユーバーレーベンがソダシに並びかけるところまで伸びてきて、ラスト200m付近で先頭に躍り出た。
「3、4コーナーでペースが上がってきたときは、すごく楽でした。直線に向いたらいつもどおりジリジリ伸びました。距離は問題ないと思っていました。直線で早めに先頭に立って、少し物見するかもしれないから、(そうしないよう)お願いして、最後まで頑張りました」
そう話したデムーロの叱咤に応え、ユーバーレーベンが先頭でゴールを駆け抜けた。これまでソダシには3戦全敗だったが、初めて勝った。
1馬身差の2着は2番人気のアカイトリノムスメ、そこから鼻差の3着には、16番人気のハギノピリナが突っ込んできた。