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【オークス】ユーバーレーベンに込められた“亡き岡田総帥の思い”とは ソダシの走りには“望ましくない力み”が? 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2021/05/24 11:45

【オークス】ユーバーレーベンに込められた“亡き岡田総帥の思い”とは ソダシの走りには“望ましくない力み”が?<Number Web> photograph by Photostud

オークスを制したミルコ・デムーロ騎乗のユーバーレーベン。圧倒的1番人気のソダシには初の勝利となった

デムーロは天を見上げ、岡田氏に勝利を報告した

 ユーバーレーベンは、昨年6月の新馬戦以来となる2勝目を、見事、GI初制覇で飾った。

 ユーバーレーベンを所有するサラブレッドクラブ・ラフィアンも、この馬が生まれたビッグレッドファームも、今年3月に世を去ったマイネル軍団の総帥・岡田繁幸氏が設立した。そして、父のゴールドシップも、母の父のロージズインメイも、岡田氏が導入した種牡馬である。

 岡田氏の夢と思いがサラブレッドになったのがユーバーレーベンなのだ。

 レース後、デムーロが天を見上げたのは、岡田氏に勝利を報告するためだった。

 これも、競馬の神様が私たちのために用意してくれたドラマだったのか。

思い切った手を打ちづらかったソダシ

 8着に敗れたソダシは、結果論だが、中途半端に抑えるくらいなら、思い切ってハナまで行ってしまったほうがよかったかもしれない。あるいは、速いスタートを切ってしまうと難しいのだが、ゲートをゆっくり出して、序盤で中団か後方まで下げてスタミナを温存するという選択肢もあった。いずれにしても、父クロフネの産駒に平地芝2000m以上の重賞勝ち馬がいないという、血統的な限界が出てしまったかもしれないが。

 適距離より長いところでは、下げて一発を狙うことが多いのだが、今回のソダシは、単勝1.9倍という圧倒的な人気を背負ったがゆえに、思い切った手を打ちづらい立場だったこともまた事実だ。

 無傷の5連勝でGIを2勝した、ものすごく強い馬であることに変わりはないのだから、今後の巻き返しに期待したい。

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