【ドラフト中間予想】野手“ドラ1候補”ベスト10…5位大阪桐蔭のピカ1外野手、4位JR四国の守備職人、3位～1位は？

　さて今度は、「2021ドラフトベストテン中間報告」の野手編である（投手編へ）。

　書き進めていくうちに、次第に気合いが入ってしまい、「投手編」に比べて、文章量が増えている。何せ、たったの10人である。それだけに、思い入れも強い選手たちだ。どうしても、語ってしまう。

　投手に比べて「走・攻・守」と、語る要素がいくつもあるのが、文字量を増やしている理由の1つかもしれない。「投手」同様、第10位から「ベスト10」の発表をしていく。

【10位】浜岡陸（花咲徳栄高・遊撃手・177cm75kg・右投左打）

　おそらくこの春の「打」は、彼の高校野球生活の中で最も良くない状態であろう。“打って当たり前”の目と懸命に闘っている様子。投球に対して「自由」になれたら……良くて成功率3割、4割の「合わない仕事」だ。ゆったりと待ち構えたらいい。1年秋の関東大会、昨夏の独自大会は投球を見つめる“間”があって、思う通りに打ちまくっていた。それでもここに推したのは、80m以上もライナー軌道で投げられる強肩を武器にするフィールディングがあるからだ。どう見てもプロで勝負できる、驚異の「超・強肩」。8割の力加減で、丁寧に投げる意識があれば、さらに威力を発揮できる。

【9位】代木大和（明徳義塾高・外野手・184cm85kg・左投左打）

　別に、遊びや冗談で、この大型左腕を「野手」でベストテン入りさせたわけじゃない。この春のセンバツ、第1打席のファーストスイングで、左腕の速球を全く開かず完璧に捉え、ライト頭上への痛烈なライナーにしたバッティングを見て、「左バッターの中でいちばんいいバッティングしてる」と言ったのを、記者席の取材者仲間の1人が覚えてくれていた。岐阜一・阪口樂が「大谷翔平」に似ていると言われたりしているが、メカニズムでいえば、こちらの方が間違いなく「大谷二世」だ。代木の鮮やかなバットコントロールは、腕の使い方が柔らかいんじゃない。可動域が抜群に広い肩甲骨の動きがバットを操作している。それが「大谷二世」の絶対要素だ。右肩が閉じたまま、左ヒジがグッとお腹の前に入って、バットヘッドを長く走らせ、膨大な遠心力を生む。それでいて、頭が動かず、顔で投球をギリギリまで追えるから、ミートの精度も高い。「美しさ」すら感じさせるスイングフォームも、大谷翔平との共通項だ。投手としても昨秋以降、ガラッと良くなったが、本人、その気で「打」に打ち込めば、とんでもないスラッガーになれる。潜在能力は計り知れない。

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