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【ドラフト中間予想】ピッチャー“ドラ1候補”ベスト10…3位達孝太(天理)、2位小園健太(市立和歌山)、では1位は?
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJiji Press
posted2021/05/11 17:10
ドラフト候補中間予想・投手編【4位】は石田隼都(東海大相模高・183cm73kg・左投左打)
【8位】畔柳亨丞(中京大中京高・178cm83kg・右投右打)
受けたミットからこげ臭い匂いが漂ってきそうな剛速球は、センバツでも抜けた存在だった。もはや「150km」が当たり前になりつつあるプロの一軍投手陣。畔柳は150kmの保証のある数少ない剛腕だ。力を入れて投げたいタイプのようだから、故障のリスクはつきまとうが、タイプとしてそういう投手がいてもよい。他の誰にも投げられないような、バットの芯でも粉砕できる「鉄球」があるのだから。胸のすくような投げっぷりが財産だ。
【7位】廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ・177cm75kg・右投右打)
昨年の都市対抗野球、この怪腕の大学(帝京大)当時を知らなかったことを秘かに恥じた。立ち上がりから150km台をほぼ構えたミットにきめて、試合中盤からはスライダー、カーブ、カットボールに沈む系……多彩な飛び道具を駆使してタイミングを外す投球に切り替えて。今春は、快速球とフォークを勝負球に、抑え役もこなして3月のスポニチ大会を制覇。コントロール率(構えたミットにきめられる確率)が70%を超えたら、「栗林良吏」(広島カープ←トヨタ自動車)に見えてくるはずだ。
【6位】隅田知一郎(西日本工業大・176cm74kg・左投左打)
学生球界で今年のドラフト候補の左腕となると、確かに創価大・鈴木勇斗も上位候補だが、鈴木投手が今の力で勝負するタイプに見えるのに対し、隅田投手には、まだ秘めている潜在能力が大きいと見る。7、8割の力感から145km前後を続けられ、同じ空振りでもスイング軌道とボールが離れた空振りを奪う。ここ一番に、余す所なく本領を発揮できる能力は「プロの資質」。持てる力に確信を得て、今が伸び盛りだ。