箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
大学長距離界のエース、駒大3年田澤廉に日本選手権で挑戦… 後輩・鈴木芽吹は「相当な負けん気」(大八木監督)の19歳
posted2021/05/02 17:02
text by
加藤康博Yasuhiro Kato
photograph by
Yuki Suenaga
またひとり、若者が日本のトップにチャレンジする。1月の箱根駅伝で5区を担い、駒澤大の総合優勝に貢献した鈴木芽吹だ。5月3日の陸上日本選手権男子10000mは2組に分かれてのタイムレースで行われるが、鈴木は資格記録の速い選手が集う2組目での出場が確定的だ。その中に混じって走れる期待に胸を膨らませている。
「これまでに体験したことのないペースでレースが進むと思うので、そこについていき、どれだけ粘れるかを試したいと思っています。正直、最下位の可能性もあるので少し怖さもありますが、失敗しても失うものはありませんし、怖さ以上に楽しみな気持ちが強いです。“攻め続け、粘り続けた結果、27分台が出ていた”というレースを目指します」
「謙虚」だが「負けん気の強さは相当なもの」
昨年12月に行われた前回大会同様、今回も東京五輪日本代表の選考レース。参加標準記録27分28秒00の突破を目指し、オープン参加の海外勢を中心にハイペースで進むことは間違いない。前回は5000mの通過が13分41秒。鈴木の10000mベストは28分00秒67でその時は、5000mは14分05秒前後での通過だった。もし前回と同じペースとなればそこは鈴木にとってまさに異次元の世界だ。
高校時代から世代トップクラスを走ってきたランナー。駒澤大入学後は持ち前のスピードに加え、箱根駅伝対策で走り込んだことでスタミナ強化が進み、トラックレースでも終盤までの余裕度が上がった印象だ。普段、チームメイトからは「謙虚」と評されており、取材対応の物腰も柔らかいが、大学駅伝界きっての闘将、駒澤大・大八木弘明監督が「負けん気の強さは相当なもの」と認めるメンタルの強さも備えている。レースでの集中力も高く、舞台が大きくなっても力を出しきれる点も魅力だ。