田渕　ニッポンの社長のネタは、ほとんどセリフがなかったんですよね。なので、あのメロディーが変なツッコミみたいになって、控室は大爆笑でしたけどね。

――ニッポンの社長も敗者復活戦はネタを変えてきましたが、お2人も、準決勝とは違いました。あれはいつ頃できたネタなのですか？

敗者復活戦、最後の15番目に登場したニッポンの社長　©M-1グランプリ事務局

きむ　あれは2、3年前ぐらいかな。

田渕　寄席でけっこうやっているネタなので、舞台にかけているうちに中身はかなり変わってきているんですけど。

「もう、あのネタでええやろ」きむのイライラ

――敗者復活戦は割れますよね。準決勝のネタをそのままやる組と、ガラッと変えてくるコンビと。

きむ　敗者復活戦は今回で3度目なのですが、前の2回は、掛け合って勢いをつけていこうみたいな感じやったんです。自分たちの中で、もっとも仕上がっているネタをぶつけて。でも、それで無理やったんで、今回は、とにかく自分たちが楽しめるネタにしようって思ったんです。準決勝で負けて、会場を出るときにはもう決めてました。

田渕　あんとき、負けた直後で、イライラしとったよな。きむが「（敗者復活戦は）もう、あのネタでええやろ」って言ってきて。結局、そのネタに決まったんですけど。

――今大会、ネタ作りにおいては、やはりコロナの影響は少なからずありましたか。

田渕　僕らのネタって、できたばっかりの段階では、まだスカスカなんですよ。単なるボケの羅列というか。その合間合間に、ここはこんなの入れられそうやなってどんどん足していく感じなんです。

きむ　その作業は舞台上じゃないとできない。コロナで3カ月ぐらいまともに舞台に立てなかった時期があるので、僕らはけっこう難しかったですね。夏が過ぎて、10月ぐらいになるまでM-1でかけるネタができなかったんです。

田渕のアドリブ「お待たせしました、木崎です！」

――過去のネタって、そのぶん、人目に触れる機会は多かったと思うのですが、そのあたりの不安はなかったのですか。

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