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新しい地図・稲垣吾郎×パラバドミントン 世界を制した女王と元野球少年の新鋭が語る「ホームの緊張感」とは?
 

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/04/19 06:00

新しい地図・稲垣吾郎×パラバドミントン 世界を制した女王と元野球少年の新鋭が語る「ホームの緊張感」とは?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

パラバドミントン界期待の2人と鼎談した稲垣吾郎(左)。「緊張感」について語り合ったことで発見した、役者とアスリートの共通点とは?

稲垣 緊張の他にももう一つ、役者とアスリートに共通するんじゃないかなと思ったことがあります。さっき出てきたベートーヴェンの役は、僕の素の性格とは真逆なんです。情熱的な音楽にも現れているように、彼は常に怒っているし、暴れまくる。周りの人を振り回しながら、それでも天才として音楽を作っていくんですよね。こういう自分とは絶対的に違う人間を演じるのって、自分の新たな一面を発見できることもあってすごく楽しい。おふたりは試合のとき、違う自分がいる感覚はありますか?

梶原 違う自分かはわからないですけど、ヨシ! って吠えてたりはします。無意識に。

鈴木 私は後から試合の動画を見て、「めっちゃ頑張ってるな」って思うことがありますね(笑)。

稲垣 いつもの自分と違うでしょ? こんな顔した覚えはないというか。

鈴木 覚えはないですね。

稲垣 僕らも同じです。後から映像を見返すとびっくりしますし、恥ずかしいです。でも、本番では信じ込んでなりきってるんですよね。スポーツでも、自分がどう見えるかを考えながら動く選手は強いですよね。会場を巻き込んでいく感じ。

梶原 確かに、僕もあんまり小さくはならないように胸を張ったりしていますね。弱々しく見えてしまう気がするので。

鈴木 私は淡々としているかも。あ、でも、19年に国際大会のシングルスで優勝したときに、テレビカメラに向かってピースしたことはありました。普段はそんなこと全然しないんですけど、喜びが爆発して。

稲垣 じゃあ、本番ではピースも見どころですね。本番で金メダルを獲ったら、ダブルピースでお願いします!(笑)

本連載は約2カ月に1度の掲載、次回は5月20日発売号の予定です。(※日本財団パラリンピックサポートセンターとの共同企画です)

<協力>
hair & make-up by Junko Kaneda
styling by Akino Kurosawa
衣装提供:エトロ(エトロ ジャパン)

鈴木亜弥子Ayako Suzuki

1987年3月14日、埼玉県生まれ。SU5クラス。先天的に右腕が肩より上がらない障害がある。高3時の全日本ジュニアで2位。2007年にパラへ転向し、09年世界選手権で優勝。10年に引退、15年に現役復帰し、17年世界選手権は金。

 

梶原大暉Daiki Kajiwara

2001年11月13日、福岡県生まれ。WH2クラス。中2で交通事故により右脚を切断。高1からパラバドミントンを始め、2019年、20年の日本選手権を連覇。19年のデンマーク国際では国際大会初タイトルにして単複2冠を達成した。

 

稲垣吾郎Goro Inagaki

1973年、東京都生まれ。出演するNHKドラマ「きれいのくに」が4月12日放送開始。4月から公演予定の主演舞台『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』ではフランス革命期の死刑執行人、シャルル=アンリ・サンソン役を務める

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