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池江璃花子100m自由形も優勝…五輪公式サイトも「ミラクル」と称賛した“特別な運命” 20歳のこれまでと今

posted2021/04/08 18:05

 
池江璃花子100m自由形も優勝…五輪公式サイトも「ミラクル」と称賛した“特別な運命” 20歳のこれまでと今<Number Web> photograph by Kyodo News

競泳の日本選手権女子100m自由形で優勝し、4位の大本里佳(左)と抱き合って喜ぶ池江璃花子。ともに400mリレーの東京五輪代表に決まった

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NumberWeb編集部

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雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は池江璃花子にまつわる4つの言葉です。

<名言1>
フライングするんじゃないかというくらい震えが止まらなくて、いつもと違いました。
(池江璃花子/NumberWeb 2021年3月4日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/847234

◇解説◇
 2021年4月の競泳日本選手権で見事な復活劇を見せてくれた池江。100mバタフライ優勝時には英「BBC」などが速報で報じ、五輪公式チャンネルも「Miracle worker」との見出しで称賛するなど世界的なニュースとなったが、その復活の道のりをたどると……葛藤や不安を乗り越えていったことがよくわかる。

 2月に東京辰巳国際水泳場で開催された東京都オープン、池江は女子50mバタフライに出場し、25秒77のタイムで白血病療養から復帰後初となる優勝を飾った。

「1位になったことは、大きなステップアップでした。以前の自分は速くて当たり前、日本では勝って当たり前でした。それを失って初めて、勝つことの意味をちゃんと感じられるようになりました」

 このようにアスリートとして勝利することの喜びを思い出した池江。ただその前日に行われた100mバタフライでは、計8回も自分自身で日本記録を更新してきた得意の種目ながら、緊張感を感じてスタート台に立ったのだという。決勝の結果は2位と0.09秒差の3位でフィニッシュ。勝利は得られなかったとはいえ、手ごたえはつかんでいたようだ。

「100mバタフライに戻ってこられて、本当に良かった」

 このように喜びを語った2カ月後、日本選手権で優勝を果たすことになるとは――もしかしたら本人も想像しえなかったかもしれない。

<名言2>
もう、とにかく……派遣標準を切ることだけをずっと目標にしてきたので。
(池江璃花子/NumberWeb 2020年4月4日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/843071

◇解説◇
 2021年4月4日、競泳日本選手権で3年ぶりの出場となった池江璃花子は、女子バタフライ100m決勝で57秒77をマークして優勝。400mメドレーリレーの東京五輪代表に内定した。2019年2月に白血病を発症したマルチスイマーが果たした復活に、本人も涙を流して「努力は必ず報われるんだなと思いました」と語った。新型コロナウイルス禍が続く日本において、久々の明るいニュースだったといえるだろう。

 そして5年前、同じ100mバタフライで池江は快挙を成し遂げていた。

【次ページ】 涙を流した高校1年生の“あの時”

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