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ミャンマーに伝わる「ラウェイ」。映画で知る日本人挑戦の物語。~最も“危険”で“美しい”格闘技~
posted2021/04/11 07:00
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
Susumu Nagao
人生はうまくいかない。どん底に陥ったとしても、必ずしも這い上がれるわけではない。ミャンマーに伝わる究極の立ち技格闘技「ラウェイ」に挑む日本人選手を描いた『迷子になった拳』(今田哲史監督)は、そうなったときにどうすればいいかを示唆してくれるノンフィクション映画である。単なる格闘技映画と思ったら大間違いだ。
主役となる金子大輝と渡慶次幸平の格闘技人生は“八転び七起き”。つまり負けの方が目立つ。今田監督は「当初は発注元(制作)の意向で、金子選手のみで撮影も構成も行なう予定だった」と打ち明ける。
「ただし、撮りながら、思い描いていた通りの金子選手のサクセスストーリーにはならないと感じました」