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武藤敬司の“ノア電撃入団”はいかに実現したのか 「経営面となると、俺は会社をふたつ潰してるからね(笑)」
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byTomosuke Imai
posted2021/04/11 17:01
ノアへの電撃入団を発表した武藤敬司。その経緯と今後の展望を語った
武藤さんも昔、「1万人以上の会場じゃないと」って
武田 東京オリンピック前に、おそらく会場の観客数制限がまた変わるじゃないですか。いままでやってきたことはある意味で投資なので、ここからガラッと変えていかなきゃいけないと思っています。大きな会場が満員になるような、クオリティの高い大会をやっていかなきゃダメだなと。武藤さんも昔、「1万人以上の会場じゃないとムーンサルトはやらない」って言ってましたんで(笑)。
武藤 それは俺がヒザの人工関節手術する前のことじゃん。今は1万人いたってやれないよ(笑)。
――ムーンサルトじゃないにしても、超満員の大会場なら武藤さんをはじめ選手の意気込みも違うし、観客の期待度も変わってくるでしょうからね。
武田 あと映像の方も、いまWRESTLE UNIVERSE(ノアやDDTなどサイバーファイトグループの定額課金制動画サイト)もすごいシステムのチームで動いているので、それに見合ったコンテンツを作らないといけないと思いますし。ABEMAはABEMAで一緒にやってもらっているので、そこも含めて一生懸命コンテンツ作りをしていかないとダメだと思っていますね。
リングでの試合を「エンジョイしながら」
――武藤さんは2年契約の間、ノアでどんなことをしていきたいと思っていますか?
武藤 そんな大それたことは考えてないよ。今はWRESTLE-1の時と違ってさ、俺はリングのことだけを考えればいいような形じゃん。いい形で月2回のペースで試合ができるから、それをエンジョイしながら、自分の培ってきたもので貢献していきたいという思いがあるよ。あとはみんなで知恵を絞って、ノアという団体や、サイバーファイトというものを大きくしていければいいなって。
山内 今、武藤さんがおっしゃられたように、重たい会議のようなものではなく、「こういうことをやったらいいんじゃないか」「ビッグマッチはこうしたらいいんじゃないか」というようなことを、フランクに相談していけたら、僕としてもうれしく思います。
武藤 ぜひぜひ、また美味しい食事やワインとともに、よろしくお願いします(笑)。