「忙しくて歳を取る間も与えてくれないよ（笑）」

　山内　やはり想像を超える反響でしたね。僕らはネット企業なので、Twitterなどでどれだけ話題になっているのかも見ているんですけど、トレンドにも入っていましたし。タイトルを獲ってから入団するまでも話題性がどんどん上がっていて、それはノアにとっても大きなプロモーションになったし、本当にありがたいと思いました。

　また、武藤さんのコメントのひとつひとつがメディアに切り取られて、さまざまな記事で報じられているのを、僕もTwitterで何度も目にしたので。そういった意味でも千両役者というか、一流レスラーならではのバズらせるだけの言葉の強さ、うまさも感じましたね。

サイバーエージェント専務執行役員の山内隆裕氏

　――武藤さん自身が、ノア入団を決めた一番のポイントはなんだったんですか？

　武藤　さっき言ったノアの持つ可能性と、あとは居心地の良さですよ。どうせプロレスをやるからには、自分の存在価値をアピールできたほうがいいじゃん。これで「何もしなくてもいいから来てくれ」っていうのだとやり甲斐がないけど、こっちに期待してくれているのをすごく感じているし。現にベルトも巻いているわけだからね。今は忙しくて歳を取る間も与えてくれないよ（笑）。

「田中マー君はちょっと言い過ぎたな（笑）」

　――そして提示された契約自体も、武藤さん曰く「田中マー君にちょっと劣るくらいの素晴らしい契約」で（笑）。

　武藤　それはちょっと言い過ぎたな。田中マー君って、東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手じゃなくて、ZERO1にいる田中マー君のことだから（笑）。

　――田中将斗選手のことでしたか（笑）。

　武田　でも、そういった発言が、またメディアで大きく取り上げられるんですよね。

　武藤　囲み取材で冗談で言ったことを記者が拾うんだよ。それが見出しになってさ。

　――「グレート・ムタは別料金」とか（笑）。

　武田　その辺は、また要相談ということで（笑）。

　――武田さんはプロレス畑のフロントとして、ノアに武藤さんが加わることによって、どんな効果を期待されていますか？

　武田　プロレスビジネスって、歌舞伎や能の世界と同じで“一座”じゃないですか。団体を構成するのにだいたい3世代が必要なんですよ。『サザエさん』のような構成というか。

　――武藤さんが若い頃の新日本も、トップに猪木さんがいて、藤波辰爾さん、長州力さんの世代がいて、武藤さんたち闘魂三銃士がいましたもんね。

　武田　でも、ノアの場合は潮崎豪選手の世代、清宮海斗選手の世代はいても、一番上の世代が抜けてるじゃないですか。だから武藤さんが入ることで、ちょうど3世代がハマるなっていうイメージがあったんです。

　――本来、大御所としてやっているはずの三沢（光晴）さん、小橋（建太）さんたちの世代がいないわけですもんね。秋山準さんはDDT所属だし。

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