今年のオールスターゲーム開催地が、アトランタから変更されるニュースが流れて以来、FOXをはじめとする保守系メディアでは連日のように、（かなり攻撃的に）MLBを批判するようになった。今後もMLBに対して厳しい言葉を投げかける人々は絶えないだろうが、それは米国の野球界に生きる人々にとっては、「望むところ」ではないかと思う。

アメリカのプロ野球は“黙らない”選択をした

　冒頭に少し登場した故ルイス議員は生前、こう言っている。

「我々の闘いは1日、1週間、1カ月、または1年の闘いではなく、生涯の闘いなのです。良い問題、必要な問題に巻き込まれるために、音を立てること（＝騒ぎを起こすこと）を決して恐れてはならないのです」

　世の中から人種差別をなくすために。世の中をもっと、良くするために、アメリカのプロ野球は「黙る」ことなく、社会の問題として在り続ける覚悟のようだ。