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【大阪杯】「二強」崩した6戦6勝の良血馬・レイパパレのスケールはどれくらい? コントレイル“3着”の敗因とは

posted2021/04/05 11:20

 
【大阪杯】「二強」崩した6戦6勝の良血馬・レイパパレのスケールはどれくらい? コントレイル“3着”の敗因とは<Number Web> photograph by Kyodo News

無傷の牝馬、レイパパレ(左)が1番人気のコントレイル(黄帽)、2番人気のグランアレグリア(桃帽)を下して大阪杯を制した

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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 超豪華メンバーによる頂上決戦を制したのは、無敗の三冠馬でもなければ、「3階級制覇」を狙った最優秀短距離馬でもなかった。

 第65回大阪杯(4月4日、阪神芝内回り2000m、4歳以上GI)で、川田将雅が騎乗する4番人気のレイパパレ(牝4歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎)が2着を4馬身突き放して優勝。デビューから無傷の6連勝で、GI初制覇を遂げた。

重馬場も「二強」の支持は変わらなかった

 降りつづく雨が午後から強まり、阪神競馬場の芝コースを重馬場のコンディションにしていた。

 それでも、昨年史上3頭目の無敗の三冠馬となった福永祐一のコントレイルが単勝1.8倍の1番人気。史上初のスプリントGIとマイルGI、中距離GIの「3階級制覇」狙うクリストフ・ルメールのグランアレグリアが単勝2.8倍の2番人気と、「二強」の支持は揺るがなかった。

 ゲートが開いた。コントレイルもグランアレグリアも、他馬と横並びのいいスタートを切った。

 それに対してレイパパレは、ゲートからの1完歩目で外にモタれて立ち遅れそうになったが、すぐさま川田が手綱の操作と体重移動で軌道を修正。その後は無理に促すことなくスピードに乗せ、正面スタンド前でハナに立った。川田はこう振り返る。

「いい返し馬ができ、この雰囲気ならいい走りをしてくれるだろうと思ってゲートを出ました。馬場的にも、周りの馬的にも、スムーズにハナまで行ってしまうことを選択しました」

 レイパパレが単騎先頭のまま1、2コーナーを回り、向正面へ。

 馬群は縦長になり、グランアレグリアはレイパパレから5馬身ほど離れた5番手。コントレイルはそこからさらに5馬身ほど後ろにつけている。

 1000m通過は59秒8。馬場状態を考えると、かなり速い流れだ。

「この馬が力みすぎない程度に走った結果がその時計でした」と川田。

 鞍上の感覚としては、楽に刻んだラップだったのだろう。

【次ページ】 追うグランアレグリアとコントレイルとの差は

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