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石川祐希の食事やケアを見て「自分は全然足りないなと」 188cmの19歳、高橋藍が今一番欲しているものとは
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byHiroshi Nakamura
posted2021/03/29 11:01
19歳の高橋藍は10kgの増量を遂げたたくましい身体で世界の舞台を目指し続ける
東京五輪は「自分が頑張れば手の届く位置」
さらにコート外での姿勢にも石川の意識の高さを感じたという。
「食事や身体のケアなど、バレー以外の部分の意識も本当に高い。すべてがバレーにつながるということを意識して食事を摂ったり、身体のケアをされていました。自分も(意識は)高い方だなと思っていましたが、全然足りないなと痛感させられましたね」
昨年はコロナ禍のため国際試合が開催されなかったため、高橋は代表としての国際試合の経験はない。世界を相手にどれだけ通用するかは未知数だ。
そんな彼が今一番欲するのが、壁にぶつかることだという。
「海外の選手のブロックの高さを感じたいですね。実際に対峙して、自分の弱いところや足りないものを見つけたい。高校時代も壁にぶつかって悩んで、それを乗り越えたときに成長したという実感がある。海外でも余裕を持って戦える選手になるためには、まず海外レベルを知って、自分に今、何が足りないのか、どういう部分を伸ばさなければならないのかを明確にしたい。そこで成長できる部分が見つかると思うので」
そう目を輝かせながら語る高橋にとって東京五輪は、「自分が頑張れば手の届く位置まできている」もの。“夢”から“目標”へと変わった。
「こんなに若く五輪を経験できるチャンスもなかなかないと思うんです。今後自分が成長していくなかで(東京五輪は)大事な分岐点になると思いますし、ここを起点に次の五輪にもつなげていきたい」
チャンスは逃さないとばかりに、19歳は虎視眈々と大舞台を目指す。
高橋藍Ran Takahashi
2001年9月2日、京都府生まれ。小学2年でバレーを始める。昨年、東山高から日体大へ進学。'19年高校総体3位、'20年全日本高校選手権優勝。'20年全日本インカレで準優勝。最高到達点は345cm。188cm、82kg。