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狩野舞子が「変えたい」と思う女性選手の環境とは? 男性指導者の「生理」への理解、下着のラインが透けるユニフォーム
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byShigeki Yamamoto
posted2021/03/25 11:05
自分の意志で決断した海外移籍が転機だったと振り返る狩野舞子。イタリア、トルコと2年間プレーした経験は現在の活動にも生きているという
「変えられるものは変えていきたい」
「ケガだけじゃなく、身体のことも知らないといけない大切なことがたくさんある。生理に関してもデリケートな部分ではありますが、今は発信の機会も増えているし、女性だけでなく男性指導者にも人それぞれその時の体調も違うことを含め、ちゃんと伝えて理解してもらわないといけないですよね。
たとえば生理用品1つとっても“スポーツをしても大丈夫”と一般的に売られているものではなく、アスリート専用の商品があってもいいんじゃないかな、と思うし、プロデュースとまでは言わなくても、私の経験から『こういうものがいい』と意見を出せることもあるかもしれない。
生理の時以外の下着に関しても、ユニフォームの生地は機能性重視で速乾性があって薄いのはありがたい反面、下着のラインが透けやすい。試合中もそういうところばかりズームで撮られているんじゃないか、と悩んだ経験はバレーボール選手ならば絶対あるはず。自分が現役時代にできていなかったからこそ、伝えることは伝えて、変えられるものは変えていきたいですよね」
サービス精神旺盛に笑わせたかと思えば、次世代に向けた提言も示す。これからさらに活躍の場も広がるのでは? そう話を向けると、嬉しそうに笑った。
「いまは、超高身長の何でも屋で、“伸びしろしかない子ちゃん”みたいな感じかな(笑)。ネーミングセンスはだいぶ昭和ですけど、新しいことに挑戦するのは嫌いじゃない。もっと勉強して、どんどんチャレンジしていきたいです」
自分で決める、自分の人生。だから今は堂々と胸を張り、自信を持ってこう言える。
私は私、これでいいのだ。
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