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専属捕手は日陰に咲く。~一芸人生、3人の告白~

posted2021/03/24 07:00

 
専属捕手は日陰に咲く。~一芸人生、3人の告白~<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

ダルビッシュ有と鶴岡慎也

text by

熊崎敬

熊崎敬Takashi Kumazaki

PROFILE

photograph by

Naoya Sanuki

エースの女房役が、チームの正捕手とは限らない。球史に残る大投手たちを受け止めた3人が、信頼を勝ち得る「専属捕手」の条件を語った。

 チームスポーツの中でも、野球はちょっとユニークだ。チームで戦うのに投手の出来が勝敗を大きく左右し、先発投手が「勝った」、「負けた」と報じられる。とりわけエースが投げるとき、その傾向は強い。

 だが、忘れてはいけない。喝采を浴びるエースの向こうに、マスクをかぶり、重装備で球を受け続ける捕手がいることを。

 ダルビッシュ有が日本ハムでの7年間、コンビを組んだのが鶴岡慎也。エースとの思い出を、鶴岡は苦笑しながら振り返る。

「もう罰ゲームみたいなもんです」

 捕手といったら、リードが腕の見せどころ。だがダルビッシュと組むときはリード以前、捕球で身も心も擦り切れるからだ。

「145kmのフォークに思いっきり曲がるスライダー。もう捕るのに必死で」

 そう、ファンはどんな球も捕手が捕って当然だと思っているが、これはプロにしかできない芸当。それが“魔球の使い手”ダルビッシュなら、プロでも至難の業なのだ。

「彼の球を受けた人しか、この大変さはわからないと思います。ダルビッシュは反射神経限界の球を投げてくるので、反射神経限界のブロックをしなきゃいけない。とくに札幌ドームは後ろが広いので、逸らしたら二塁からホームに還っちゃいますから」

 実際に逸らしてしまうと悪夢だ。ため息がドームを包み、マウンドでは5歳年下のエースがブリブリ怒り出す。

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