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レブロン相手にも堂々…称賛される八村塁のディフェンス能力「1番から5番まで守れるのは塁、お前だけだ」
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2021/03/10 11:01
レブロン・ジェームズとマッチアップする八村塁。NBAでの2シーズン目の前半戦は出場した全27試合でスタメン。1試合平均30.1分、12.5得点をマークした
好調の要因に挙げられた八村のディフェンス
このミーティングの後から、明らかにチームの流れが変わった。ホームで3連勝した後、西地区遠征に出て4試合中3試合に勝利。しかも、西地区の上位を争うポートランド・トレイルブレイザーズ、ロサンゼルス・レイカーズ、デンバー・ナゲッツ相手に勝利し、敗れたロサンゼルス・クリッパーズには、ホームに戻った後の試合で勝利をあげている。
好調のなかで、注目されたことのひとつが八村のディフェンスだった。
たとえば2月20日、西地区遠征初戦のブレイザーズ戦に118対111で勝利した後、ブルックスHCは試合後のロッカールームで、八村のディフェンスを称賛した。
「塁、きょうの君はディファレンスメイカー(違いを作り出す選手)だった。この2週間、ディファレンスメーカーだった。1番から5番まで守っていた。君は1番から5番まで守れるんだ。この調子で頑張れ」
実際、この試合で八村はスイッチでオールスター・ガードのデイミアン・リラードを守り、八村が守っている間にリラードはフィールドゴール4本を打ったものの、1本も決められなかった。
レブロン・ジェームズとのマッチアップ
その次の試合、西地区遠征2試合目で八村が担当したのは、リーグMVP候補のレブロン・ジェームズ。力強さ、サイズ、クイックネスを兼ね備えたジェームズにマッチアップできる選手はリーグ中でもあまり多くない。ウィザーズのなかでは八村が最も適任という判断だ。
ジェームズは、2年目の八村の実力を測るかのように、ローポストから力で押し込んでみたり、トップからドライブインを仕掛けていた。ジェームズは試合を通して31点、13アシストをあげたものの、8つのターンオーバーを犯しており、そのうちの1つはオーバータイムの勝負どころで八村とダービス・ベルターンズがダブルチームでプレッシャーをかけたときのものだった。結局、試合はオーバータイムの末にウィザーズが勝って、5連勝目をあげた。
この試合後、ブルックスHCはまた八村のディフェンスを称賛した。
「塁は私たちのディフェンスが向上した大きな理由だ」とブルックスHC。
「どんなチームでも色々なスタイルの選手にスイッチして守ることができる選手がいる。ビッグマンだけでなく、3ポイントシューターだけでなく、ドライブする選手だけでなく。塁はそれができる選手だ」