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レブロン相手にも堂々…称賛される八村塁のディフェンス能力「1番から5番まで守れるのは塁、お前だけだ」
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2021/03/10 11:01
レブロン・ジェームズとマッチアップする八村塁。NBAでの2シーズン目の前半戦は出場した全27試合でスタメン。1試合平均30.1分、12.5得点をマークした
もちろん、まだうまくいくことばかりではない。
もちろん、まだうまくいくことばかりではない。
2月17日、ホームでのナゲッツ戦では残り5.9秒、3点リードの場面に、シュート力があるガードのジャマール・マレーをマークしていたが、ハーフコート近く、ゴールから遠い位置にいたからと、間を詰めずに3ポイントシュートを楽に打たれて同点に追いつかれた。その後、ビールが相手のファウルを誘い、フリースローを決めて勝利したことで勝敗に関わるミスにならなかったが、「あそこはもっと間を詰めるべきだった」と後からブルックスHCに指摘されている。
翌日、そのことについて聞かれた八村は言った。
「チームとしては、彼にレイアップをさせるような守り方をするプランだったけれど、遠くにいたので近づくことをしなかった。そしたら(センターサークルの)ロゴから打たれて決められてしまった。
最近はガードの選手はロゴから打ってくる。僕からすると難しいシュートのように思えるけれど、彼らにとって、特にああいう状況では簡単なシュートだ。抜かれることを考えて、近づけなかったけれど、あの後コーチとも話して、そういった状況には間違いなくアジャストしていかなくてはいけないと思っている」
こうやって実戦のなかで経験することで、八村は1番から5番まで守る責任がどんなことなのかを、身をもって学んでいる。
「1番から5番まで守るというのは難しいことだ」とブルックスHCは言う。
「1番から5番まで守るということは、自分がマークしている選手のことだけでなく、コートにいるほかの4人の選手の特徴も把握していなくてはいけない。それを、ゲームのスピードの中で見て、反応し、吸収し、実際に実行しなくてはいけない。彼は、それを見始めているんだ。それはすごいことだ」
シーズンの序盤、ウェストブルックらが、個々の選手が自分の役割に責任を持つことの大事さを繰り返し語っていたとき、八村はこう言っていた。
「ラッセルが入って、チームもオールスタープレイヤーが2人いるということで、僕らも若い選手が多いチームなのでまだ学んでいるところはいっぱいあるんですけれど、その中で、自分の仕事を見つけて、自分でしっかりやるっていうことは大事じゃないかなと思います」
NBA2シーズン目も、折り返し地点を迎えた。八村は今、自分がやるべき大きな仕事を見つけ、チームのためにその役割を責任もって果たせるような選手になるために、日々努力を続けている。