濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
ジュリアの“髪切り”が目立ったが…「輝いていて美しい」林下詩美22歳vs上谷沙弥24歳にスターダムの未来が見えた
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byMasashi Hara
posted2021/03/09 11:02
赤いベルトをかけた戦いはトリを飾ることはできなかったが、スターダムの女王の座にふさわしい名勝負となった
「最終的にこの2人がトップを争っていくんだろうね」
中野たむとジュリアの髪切りマッチからは、両者の覚悟を感じた。世志琥を下した岩谷は、すべての技を真正面から受ける驚異的なタフさでも観客の目を奪った。その上であらためて感じたのは、今のスターダムの“軸”にあたるのが赤いベルトのチャンピオン、林下詩美だということだ。
「スターダム10周年、この舞台、この状況、この時にこの場所で上谷と防衛戦ができて凄く楽しかったですね。15年、20年とスターダムの歴史は続いていきます。私がそれを輝かせます」(林下)
プレス・関係者エリアで試合を見ていると、あるレジェンドレスラーの声が聞こえた。
「最終的にこの2人がトップを争っていくんだろうね」
スターダム日本武道館大会で組まれた試合には、それぞれのストーリーがあった。しかし林下と上谷に関しては、ここがストーリーの起点だ。2021年3月3日の林下詩美vs上谷沙弥は、5年後あるいは10年後に振り返られるものになる。赤いベルトをかけた(おそらく何度目かの)名勝負が行なわれるのは、日本武道館よりも大きな会場かもしれない。
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