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髪切りマッチを越える戦いを…“赤いベルト”の女王・林下詩美vs上谷沙弥、予言された“驚くような結末”

posted2021/02/28 11:03

 
髪切りマッチを越える戦いを…“赤いベルト”の女王・林下詩美vs上谷沙弥、予言された“驚くような結末”<Number Web> photograph by Essei Hara

ワールド・オブ・スターダム王者の林下詩美は3度目の王座防衛戦に臨む

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原悦生

原悦生Essei Hara

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Essei Hara

 林下詩美は赤いベルトに象徴されるワールド・オブ・スターダム王者だ。3月3日の日本武道館大会ではタッグパートナーでもある上谷沙弥を相手に3度目の王座防衛戦に挑む。スターダムの10周年記念大会、サブタイトルには「ひな祭り」と銘打ってある。だが、そんな生易しいものではない。林下は試合順に不満を抱いた。このタイトルマッチがその日の最後の試合ではないのだ。「すべての試合がメインイベント」と言われても、林下は最後を締められないことを残念に感じたようだ。

 メキシコマットに精通しているスターダムのエグゼクティブ・プロデュ—サーのロッシー小川は殺伐とするであろう髪切りマッチの後に、赤いベルトのタイトルマッチを行うことを避けた。

 ルチャリブレの世界では通常5試合が組まれるが、覆面と覆面を賭けた「マスカラ・コントラ・マスカラ」覆面と髪の毛を賭けた「マスカラ・コントラ・カベジェラ」髪の毛と髪の毛を賭けた「カベジェラ・コントラ・カベジェラ」はいわばメキシコ式のデスマッチであって、最後の5試合目に行われる。たとえ、世界と名の付くタイトルマッチが同日に行われてもこの順序は変わらない。

最終試合で白いベルトが賭けられることへの思い

 最終試合の敗者髪切りマッチはジュリアvs中野たむで行われるが、ジュリアの持つ白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム)も同時に賭けられることで林下には複雑な思いがある。最終試合で最高峰であるはずの赤いベルトではなく白いベルトが賭けられることで、ベルトの順序が入れ替わる矛盾が生まれるからだ。

 不満といえば不満だし、悔しさも感じられた。公式の記者会見の第一声で「試合順が」と林下が言いだしたことに、筆者は「いいな」と思った。レスラーはこだわりを見せないといけない。あえて口にしたことで彼女の思いを感じることができた。それなら髪切りマッチを越える戦いをしてやろう、と林下は決意した。新時代のスターダムを象徴する試合はすでに約束されたようなものだ。

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