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ビッグネームだけじゃない! 今季トップリーグで注目“U22世代”の逸材たち【高卒即加入、NZ武者修行帰り】
posted2021/02/26 06:00
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Naoki Nishimura/AFLO SPORT
2月20日、ラグビートップリーグ(TL)がようやく、ようやく開幕した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨季のリーグ戦最後の試合となったのは昨年2月23日の神戸製鋼vs.東芝だったのだから、本当にまる1年ぶりだ。
試合が行われたのは多くは緊急事態宣言が発令中の地域。観客は5000人以下に抑えられていたが、秩父宮で開幕戦を戦ったパナソニックSO松田力也は、「ウオームアップのときから観客のみなさんがたくさん。5000人よりも多く入っているように感じたし、その中で楽しくラグビーをできたと思います」と笑顔を浮かべた。敗れたリコーの共同主将・CTB濱野大輔も「ファンのみなさんも声を出せない分、最後まで拍手で応援してくださって、一生懸命さが伝わってきました」と話した。
選手たちは、その感謝をプレーで表現した。
ただでさえチームの練度があがっていない開幕節。練習環境も密を避け、チームによっては活動停止を挟むなど、不自由な思いをしながら迎えただけに、連係は十分ではなかったろう。それでも選手たちは質の高いプレーを披露してくれた。
輝きを放ったビッグネームたち
中でも輝いたのは、やはり世界から集ったビッグネームたちだ。
スコットランド代表76キャップ、NTTコムのSHグレイグ・レイドローは抜け目なくトライを決めゴールキックを決めた。オーストラリア代表105キャップ、トヨタ自動車のFLマイケル・フーパーは世界最高水準のジャッカルを披露した。
ニュージーランド代表84キャップ、サントリーのSOボーデン・バレットは初めての公式戦とは思えないほどにチームを掌握し、神業オフロードパスに自らトライもあげ、21点を稼いでチームを圧勝に導いた。そして、こちらもニュージーランド代表69キャップを誇るSH、NTTドコモのTJ・ペレナラはキヤノンとの激戦を80分間攻守の最前線で統率。後半ロスタイムの逆転勝ちへとチームを牽引した。
新たに来日した選手ばかりではない。トヨタ自動車に加わって2年目のオールブラックスの前キャプテン、127キャップのNo.8キアラン・リードは積年のライバル、フーパーと夢のバックロー陣を組んで1点差の勝利をたぐり寄せた。NTTコムからクボタに移った南アフリカ代表HOマルコム・マークスは、2トライをあげた上に驚異的なワークレートで体を張り続け、チームの完勝に貢献した。
日本代表の選手たちも負けてはいない。リーチマイケル(東芝)がフーパー相手にみせたジャッカル返し。堀江翔太(パナソニック)が2人のタックルをかいくぐりながら投じたトライアシストとなるオフロードパス……。
挙げていけばキリがない、世界のトッププレーヤーと日本代表のレジェンドたちの競演。
だが、輝いたのは彼ら、世界と日本のビッグネームだけではなかった。