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「開幕投手もあるのでは?」に困惑顔…40歳になったソフトバンク和田毅が“新球”に取り組んでいる
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byNaoya Sanuki
posted2021/02/25 17:03
40歳になったソフトバンク和田毅。写真は昨年の日本シリーズ第4戦に先発したときのもの
「捕手の後ろから見ていたけど、スライダーの曲がりなんかも良かったし、この時期の中ではかなり良い状態だと思います。本人の安心材料にもなると思う。しっかり積み重ねてきている確認になったと思いますよ」
さらに日々のブルペンについて話が及ぶ。これが非常に興味をそそる内容だった。
「僕はブルペンでは和田君の真後ろに立つことが多い。あれは軸足の音を聞いているんです。『ギュン』とか『ズッ』とか、あの音がしっかり聞こえているときは下半身が使えているとき。彼の場合は下半身がしっかり動いていれば、上半身は勝手についてくるピッチャーなので、それだけを確認しています」
“新球”に取り組んでいる
和田は自身好調の要因について「肩に不安がないのが一番」としたうえで、このようにも言及した。
「昨年の日本シリーズを戦い終えたのが11月下旬。その後休養期間を長く設けることなく、自主練習とか自主トレに入ることができた。もしかしたらそれが良かったのかもしれない。あとは、シーズンで間隔を空けてもらうことはあっても1年間をほぼ一軍で投げ続けることができたのが、今年につながっていると思います」
先発ローテを守り抜くことへのこだわりは、今年はより一層強いものになっている。「やっぱり中6日でずっと任されるのが目標」と改めて決意を口にした。
向上心も尽きるどころか燃え上がるばかりだ。ストレートを磨きつつ、一方でこのキャンプ中に“新球”に取り組んでいることも明かした。
「一緒に自主トレをやっている笠谷(俊介)に、彼が投げているナックルカーブの握りを教わって試しています。普通のカーブよりちょっとスピードの速いカーブが理想。カーブの種類を増やして、スライダーとの間の球速帯が加われば打者も嫌だと思う」
「開幕投手もあるのでは?」に困惑顔
昨年の日本シリーズ第4戦に先発した際、立ち上がりに巨人1番打者の若林晃弘にカーブを右中間二塁打されたのが心に引っ掛かっていたという。