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なぜ初球を投げて首を傾げたのか…楽天・田中将大、マウンドの“柔らかさ問題”とノーワインドアップ

posted2021/02/21 12:40

 
なぜ初球を投げて首を傾げたのか…楽天・田中将大、マウンドの“柔らかさ問題”とノーワインドアップ<Number Web> photograph by Haruka Sato

メジャー時代にノーワインドアップの“形”を変えた田中

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Haruka Sato

 2回39球を投げて被本塁打1本を含む被安打4の3失点、無四球で奪った三振は2つ。

 8年ぶりに日本球界に復帰した楽天・田中将大投手の実戦初登板となった日本ハム戦の投球内容だ。

 初回は先頭の松本剛外野手をカウント2ボール2ストライクから外角のスライダーで見逃し三振に仕留めた。続く2番の中島卓也内野手の初球では、この日最速の148キロをマークして空振りを奪うなど上々の立ち上がりを見せた。

 ところがその中島に中前安打を許すと、指名打者で出場した3番の西川遥輝外野手にも右前に運ばれ一、二塁。続く4番の中田翔内野手にはカウント2ボール2ストライクからの変化球を左翼席に運ばれていきなり3点を失った。

 続く大田泰示外野手にも三遊間を破られて走者を背負ったピッチングが続いたが、その後は野村佑希内野手を捕飛、今川優馬外野手を三ゴロに打ち取り1回を終了。2回も3人でピシャリと締めた。

「ボールのスピードも自分が思ったより出ましたし、そういうところに関しては今日、こういう風にゲームで2イニング40球近く投げられて、凄くいい段階を踏めていると思います」

アメリカではまだブルペンでしか投げていない時期

 試合後に本人がこう語ったように、結果ではなく過程を求めたマウンド。ニューヨーク・ヤンキース時代の昨年の実戦初登板は2月27日だった。それ以前も含めて、メジャー7年間のキャンプよりは1クールほど早い実戦登板だったが、そこにも8年ぶりの日本復帰への田中なりの計算があった。

「アメリカに渡ってから7年間はだいたい今はまだブルペンでしか投げていない時期。上出来ですよ。そういうのも含めて早め、早めに色んなことを感じたいというのがあった。こうしてマウンドに上がらせてもらって、感じられたので、収穫しかない」

 こう語った田中だったが、それでもいきなり気になる場面もあった。

【次ページ】 一番の変化は投球に入る際のセットの形

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