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なぜ初球を投げて首を傾げたのか…楽天・田中将大、マウンドの“柔らかさ問題”とノーワインドアップ
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHaruka Sato
posted2021/02/21 12:40
メジャー時代にノーワインドアップの“形”を変えた田中
「ゲームはゲームのエネルギーの使い方がある」
ただ同時に7年間のメジャー生活で身体の奥底へと追いやられていた、様々な日本的な感覚を揺り起していくことも、田中にとっては今後の実戦登板での1つのテーマになるのかもしれない。
「感覚の違いとかは、ブルペンもゲームも同じような感じですけど、ゲームはゲームの出力というか出て行き方、エネルギーの使い方があるので、それは自然とブルペンとは変わってくる部分はある。まずこういう風に今日投げて、そういう色んなところを感じられたというのが一番だと思います」
2666日ぶりの日本での実戦登板を終えた田中は、落ち着いた口調でこう語った。8年前の日本時代の自分の良さと、7年間のメジャー生活で得た新しい感覚。その2つをより良い形でミックスしながら、開幕へのステップを踏んでいく──それが田中の今後の実戦登板の1つのテーマになるはずである。