JリーグPRESSBACK NUMBER
ヴェルディの“天国と地獄”を知る38歳が10年ぶり帰還 富澤清太郎「本気で勝負に挑まなければ…」
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byTetsuro Kaieda
posted2021/02/21 11:00
今年7月に39歳となる富澤清太郎。“カンペー”の愛称で人気のいぶし銀のMFがヴェルディにどんな化学反応を起こすか
05年の天皇杯優勝、2度目のJ2降格を知る男
東京Vにとって最後のタイトルが2005年元日の天皇杯優勝。2005年、初めてJ2に降格し、2007年にJ1復帰を決めるも、わずか1シーズンで2度目の降格となった。富澤は最初の降格を除き(ベガルタ仙台に期限付き移籍中)、これら歴史的な節目となったゲームに出場している。天国と地獄を知る唯一の現役選手だ。
「3年前はプレーオフに出場し、J1まであと一歩のところまで迫りながら、壁を乗り越えられずに苦しんでいる状況。クラブの長期ビジョンはあるとして、選手は目の前の一戦一戦に全力を尽くすのが仕事です。本気で昇格を目指して取り組み、勝負に挑まなければ、チーム力は1年ごとにきちんと積み上がっていかない。こうして迎えてもらった以上、当然、結果を出さなくてはならないと考えています」(富澤)
長年のプロ生活で身体をすり減らし、現役の終わりに差しかかった季節は、皆等しく毎年がサバイバルだ。そこで、意中のクラブと結ばれるケースがどれほどあろう。
富澤はすでに果報者であり、さらにキャリアの集大成に選んだ仕事が実りあるものになってほしいと切に願う。