テニスPRESSBACK NUMBER

事実上の全豪決勝…大坂なおみvsセリーナ 3年前の“大モメ全米”は「もう終わったこと」絶対女王の言葉は本心か? 

text by

山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

PROFILE

photograph byHiromasa Mano

posted2021/02/17 17:02

事実上の全豪決勝…大坂なおみvsセリーナ 3年前の“大モメ全米”は「もう終わったこと」絶対女王の言葉は本心か?<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

全豪準決勝進出を果たした大坂なおみ。セリーナ・ウィリアムズとの1年半ぶりのリマッチは世界中が注目する

 この新旧女王の初対決は2018年3月のマイアミだったが、このときはセリーナが産後復帰してまだ間もない時期だった。2度目が同年の例の全米オープン、最後は約1年後のトロントで、セリーナのリベンジはここで果たされているが、そのときの大坂はウィンブルドンでの1回戦敗退と記者会見退出事件からわずか1カ月しか経っていなかった。

セリーナは復帰以降GSで4度決勝に進出

 今回ほどハイレベルのぶつかり合いは過去にない。セリーナはツアー復帰以降、グランドスラムで4度決勝に進出し、昨年の全米オープンでも準決勝には駒を進めたが、そのどの大会と比べても今が最高のコンディションだ。動きも良く、呼吸も安定し、オフシーズンのトレーニングの充実ぶりがうかがえる。

 4年前のこの全豪オープンが最後のメジャー優勝。その数は、男女を通しての史上最多優勝タイ記録まであと1つという『23』のまま止まっている。この大記録は、母として手にする初めてのグランドスラム・タイトルも意味するのだから、39歳のセリーナのモチベーションは凄まじい。ただ、『24』への思いの変化をこう語っている。

「それは私がずっと背負っているもので、いつも心の中にもある。でも重荷ではなくなった。慣れたというのもあって、今は前よりもリラックスできているの」

大坂「隔離期間に食べすぎちゃった」

 一方の大坂は、「隔離期間に食べすぎちゃった。だって、それが一番の楽しみだったから」とダイエット面での失敗を隠さなかったが、パフォーマンスには何の悪影響も見られない。4回戦では元女王ガルビネ・ムグルサのマッチポイントから生還し、準々決勝では、苦手意識の強かった曲者シェイ・スーウェイを6-2、6-2で退けた。

 シェイとの勝負は、メンタルの維持が最大のカギだった。

【次ページ】 大坂「今の状態がいいから楽な気持ち」と言う根拠とは

BACK 1 2 3 4 NEXT
大坂なおみ
セリーナ・ウィリアムズ

テニスの前後の記事

ページトップ