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なおみテニスの真髄…元世界1位相手に“崖っ縁から15分での大逆転” 直感型の大坂にデータ処理能力も宿った理由
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2021/02/15 17:02
マッチポイントを握られながらも逆転勝ち。大坂なおみは日ごとに強さを増す印象だ
コーチも感心する「情報」の生かし方とは
「特にこれまで試合をしたことのない選手については、入念に情報を与える。映像を見せて、相手がどういうプレーをするか、サーブはどういうコースに打ってくるか、球種はどうかといったこと、それと同時に相手の弱点を探して、どうやってポイントを取るか、どういう戦術が有効かといったこともね」
ただ、そんなデータなどまったくあてにならないような気にさせられる選手が次の準々決勝の相手、世界71位のシェイ・スーウェイだ。そのプレーは大坂の直感さえも鈍らせるほどトリッキーで予測不能で型破り。大物キラーとしてもよく知られるが、グランドスラムのベスト8入りは35歳にして初めてというからその充実ぶりがまた恐ろしい。
対戦成績は大坂の4勝1敗だが、4勝のうち3つは最終セットにもつれ、2年前のこの全豪オープンでは5-7、1-4まで追い込まれた。
「ビデオゲームなら彼女のキャラクターを選ぶわ。対戦するのは楽しくないけれど、見るのはすごく楽しい」
気分的にはムグルサ戦以上のチャレンジだろう。見るのが楽しいことは間違いない。