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共同通信杯は皐月賞に“直結”? 今月で引退・蛯名騎手とイスラボニータが歩んだ2014年のクラシック道
 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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posted2021/02/12 17:00

共同通信杯は皐月賞に“直結”? 今月で引退・蛯名騎手とイスラボニータが歩んだ2014年のクラシック道<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

皐月賞でのイスラボニータ。共同通信杯でステップアップしたこのヤンチャな馬が牡馬クラシック第一弾を制した

皐月賞では初の2000mと右回りも不安はなかった

 こうして迎えた皐月賞当日は「装鞍所から落ち着いて良い雰囲気だった」と語る。また、2000メートルも右回りも初めてだったが、その点も不安は全くなかったと続ける。

「距離に関してはDNA鑑定の結果からも『大丈夫だろう』と言われていたので心配しませんでした。また、デビューからそれまで5戦、東京か新潟の左回りコースしか走っていなかったけど、それはたまたま。右回りに不安があったから意図的にそうしたというわけではありませんでした。実際、調教は何度も右回りでやっていたけどスムーズに走り、蛯名君も『問題ない』と言ってくれていました」

 2番枠から好スタートを切ったイスラボニータはハナにも行ける態勢だったが、蛯名騎手が外の他の馬の出方を見ながら無理に前へ行く事なく中団に控えると、折り合った。

 そして、勝負どころの3コーナー過ぎからジワーっと外から進出すると、直線入り口では前を行くトゥザワールドら先行勢を完全に射程圏に捉える。最後は坂を上がりながら先頭に立つと、2着の本命馬を1と4分の1馬身突き放して先頭でゴールに飛び込んだ。これが栗田調教師にとっては1998年にシンコウフォレストで制した高松宮記念以来、実に16年ぶりとなるGI制覇。クラシックレースとなると初めての優勝だった。

共同通信杯は皐月賞につながっている?

 さて、こうしてGIホースとなったイスラボニータだが、その直前に使ったレースが共同通信杯(GIII)だった。ここを勝利した当時、栗田調教師は言った。

「デビュー戦の出遅れが嘘のように出過ぎるくらいのスタートだったけど、道中は掛かり気味になりながらもよく我慢してくれました。使いながら競馬を覚えて、本当に頭の良い馬だと感じました」

 このレースぶりが更なるステップアップとなり、続く皐月賞制覇につながった事がよく分かる。

 今年はその共同通信杯が今週末に行われる。東京競馬場の芝1800メートルという舞台は本当に底力がなくては乗り切れないロケーション。ちなみに蛯名騎手はイスラボニータの2年後の16年にもディーマジェスティとのコンビで共同通信杯と皐月賞を連勝している。これらの例を持ち出すまでもなくクラシックに直結する重要な1戦なのは疑いようがない。当然、今年も目が離せないだろう。

【次ページ】 蛯名騎手も、栗田師も、ダービーは惜敗が続いた

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