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長谷部誠が機能美を加え、鎌田大地が攻撃の軸に…フランクフルト復調、CL出場が夢じゃないワケ
posted2021/02/10 11:00
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
シーズン序盤の予想は当てにならない。
サッカー専門誌『キッカー』のユリアン・フランツケ記者は、今季のフランクフルトの上位進出は難しいという見解を示していた。
「序盤の戦いぶりを見る限り、CL出場権獲得は現実的な目標に成り得ていなかった。正直8位から12位が最終順位と予想していたんだ」
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多くのファンや識者も同意見だったことだろう。
第4節のケルン戦に引き分けてから9戦勝ちなし。第12節のボルシアMG戦では3-1と2点のリードを奪いながら、試合終了間際の連続失点でドロー。どうにも重苦しい空気がチームを包み込んでいた。
だが、そんなチームが突然息を吹き返した。第13節でアウクスブルクを2-0で下すと、そこから4連勝を含めて7勝1分と絶好調。第12節終了時に10位だった順位は現在4位。CL出場圏まで浮上してきている。
好調の理由はどこにあるのだろうか。
3-4-2-1へのシステム変更が奏功
様々な問題を解決した要因の1つが、3-5-2から3-4-2-1へのシステム変更だろう。システム変更に選手がはまったというよりも、選手の組み合わせを表現しようとしているサッカーに噛み合わせた結果が、8戦負けなしにつながっているような気がする。
序盤のチームに欠けていたもの。それについては昨季、長谷部誠がこう指摘していた。
「できている試合もありますが、やっぱり少ないのは真ん中でのコンビネーションです。FWとの絡みとか、落として3人目とか。特徴であるサイド攻撃を出せているときはかなりいいんですけど、真ん中を使いながら外みたいに幾つかバリエーションをつけられると、チームとしてはもっといいサッカーになると思います」
つまり、攻撃のバリエーションが少なかったのだ。