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“700億円契約”をリークされたメッシ 経営危機バルサを「破滅させる」と報じられたタイミングの怪しさ
posted2021/02/09 17:00
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
2017年11月に結ばれたバルセロナとメッシの契約内容の詳細を、『エル・ムンド』紙がすっぱ抜いた。そのタイミングがなんとも怪しい。
まずは少々遡って1月25日。バルサは2019-20シーズンの年次報告書を公表し、負債総額が11億7300万ユーロ(約1486億円)に及ぶことを明らかにした。
そのうち7億3000万ユーロ(約925億円)は返済期日が1年以内に迫っており、未払いの移籍金約1億9670万ユーロ(約249億円)などと相まって運転資本に関する状況を悪化させているため、事業の継続が危ぶまれる状態にあるという。
また、選手に関わるコスト(サッカー以外の部門を含む)が総収入の74%に達したことも報告書内で示された。前者は一昨季比-5%だったのだが、後者が新型コロナウイルスのせいでそれ以上に減ってしまったからだ。
ソシオにとっては衝撃的なニュースである。3月7日に延期された会長選挙ではチームの強化方針に加え、破産や株式会社化をどう免れるかが争点になる。
そんなタイミングで報じられたのが、メッシの前代未聞の高額サラリーだった。
7月分は移籍しても取り消されることはない
『エル・ムンド』紙によると、2017-18シーズンから今季までの4年間で最高5億5523万7619ユーロ(約702億円)だ。年俸にすると1億3880万9405ユーロ(約175億円)で、手取りは約7400万ユーロ(約94億円)となる。
これには基本給、肖像使用料、インセンティブの他、契約延長を承諾した際のボーナス約9800万ユーロ(約124億円)と、プロデビュー以来バルサに忠義を尽くしてきたことに対するボーナス約6620万ユーロ(約84億円)も含まれている。
忠義ボーナスは今年3月と7月の2回に分けて支払われることになっており、7月分は今季終了後に移籍しても取り消されることはない。
『エル・ムンド』紙はメッシの写真と数字を一面に並べ、「バルサを破滅させるメッシの豪勢な契約」という見出しを付けた。