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「育成レベルじゃない」他球団編成担当も驚いた“カープの秘密兵器” ドミニカ出身25歳の193センチ右腕って? 

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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posted2021/01/19 17:30

「育成レベルじゃない」他球団編成担当も驚いた“カープの秘密兵器” ドミニカ出身25歳の193センチ右腕って?<Number Web>

二軍で5番手として登板するコルニエル

外国人選手の出来が誤算の1つだった

 今季は、新型コロナウイルス拡大による影響から、新外国人選手の来日が遅れている。春季キャンプの期間は日本球界への適応とチームプレーの理解度を深める大事な時間。特にサインプレーの確認や独自ルールのある投手と内野手は影響が大きいのではないか。

 その点、コルニエルは19年の秋季練習から来日し、ドミニカ共和国のアカデミーでも日本式を学んで来たアドバンテージがある。11月24日フェニックス・リーグDeNA戦では、4回無死一塁で1.15秒のクイック投法で、捕手の盗塁刺をアシストした。5回には、一塁へのゴロにスタート良く一塁のベースカバーに入るなど、フェニックス・リーグでも、フィールディングやけん制に不安はない。

 豪快なパワーピッチャーでありながら、器用さもある。決め球としても使えていたフォークは、直前に永川コーチから握りなどを教えてもらったばかりの球種。何度も空振りを奪っていた。

 昨季広島は、外国人選手の出来が誤算の1つだった。実績あるクリス・ジョンソンが0勝に終わり、抑えと期待した新外国人のテイラー・スコットはサヨナラ満塁弾を2発浴びるなど0セーブのまま二軍降格となり、DJジョンソンはシーズン途中に楽天へ移籍。野手ではホセ・ピレラが好スタートを切りながらも、シーズン途中から失速した。外国人登録枠が4人から5人に拡大したルール適用を生かせず、一時は出場枠の4人にも満たない外国人選手しか一軍にいない時期もあった。

 今年は新外国人選手のカイル・バードとドビーダス・ネバラスカスがビザを取得できず、コロナに感染したヘロニモ・フランスアとアレハンドロ・メヒアの2選手も含め、外国人4選手の来日が遅れている。

 コルニエルは9日に来日し、隔離期間をへて、キャンプ初日から参加できる。まずは支配下選手登録という段階を越えなければいけないが、チャンスでもある。キャンプ序盤のアピール次第で、一気にチーム内の序列を駆け上がることもできるだろう。

 「“オオセラサン”のような投手になって、“オオセラサン”を超えていきたい」。

 例年とは雰囲気が異なるであろう春季キャンプ、日本式で育った完全無印のドミニカンが大きな注目を集めるに違いない。

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#広島東洋カープ
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